【新型コロナ】西浦氏の「8割自粛」で逆に「院内感染」対策が遅れ、死者数が増加するのではないか?

2020年5月2日、東京都の新型コロナウイルス感染者数は160人、死者数は15人となった。

一見、自粛の効果がないように見える。しかし、15人の死者のうち11人は中野江古田病院の院内感染で亡くなっている。

西浦氏は「8割自粛すれば新型コロナは収束する」と主張するが、実際は院内感染で1日に11人も死亡してるわけで、都民が8割外出自粛しても院内感染による死者は防げない。

西浦氏の発言により、政府も「8割自粛すればすべて解決する」かのようにミスリードされた結果、院内感染対策の優先順位が低く、そこで死亡者が増加する結果になっている。

 

新型コロナウイルスによる死者数

ジョンズ・ホプキンス大(2020年5月1日現在)など

国名人口死者数100万人当たり死者数BCG接種
アメリカ3億3700万人67,717人200人×
イタリア6,055万人27,967人462人×
イギリス6,750万人26,771人396人×
スペイン4,670万人24,543人525人×
フランス6,700万人24,087人359人×
日本1億2600万人517人4.1人
中国本土14億3000万人4,633人3.2人
香港740万人4人0.5人
台湾1,400万人6人0.4人
韓国5,100万人250人4.9人
シンガポール580万人15人2.6人
ベトナム9,640万人0人0人

欧米各国の100万人当たりの死亡者数は200人~500人だが、アジア諸国は0人~5人で約100倍も違う。

日本、中国、韓国、シンガポール、台湾、ベトナムはBCGを接種しているが、アメリカ、イギリス、イタリア、スペイン、フランスはBCG接種をしていない。

西浦氏は欧米の基本生産数R0=2.5から「日本で42万人が死亡する」と試算しているが、そもそも死亡率が100倍違う欧米の数字を日本に当てはめていることは、非科学的である。

 

日本の年齢階層別死亡率(厚生労働省2020年5月1日)

年代別感染者数(死亡者数)死亡率
80歳以上1,369人(172人)12.6%
70代1,383人(83人)6.0%
60代1,629人(34人)2.1%
50代2,417人(14人)0.6%
40代2,315人(6人)0.3%
30代2,125人(2人)0.1%
20代2,297人(0人)0.0%
10代337人(0人)0.0%
10歳未満238人(0人)0.0%
全体(不明分を含む)14,383人(314人)2.2%

新型コロナウイルスの死亡率は80歳以上は12.6%と非常に高いが、30代は0.1%で20代以下では死亡者がいない。

つまり、0歳~50歳の人にとっては季節性インフルエンザ程度の死亡率だ。

西浦氏の「8割自粛論」は、年齢によって死亡率が100倍も違うのに、それを全く考慮せず、一律に「8割自粛さえすれば感染は収束する」としており非科学的で乱暴な理論だ。

西浦モデルでは、致死率の高い高齢者に対する対策が全くない。そのため、80歳以上の死亡者数は減少しない。

 

8割自粛と接触率の混同

新型コロナウイルスの感染を防ぐには「8割接触機会の低下」が正しい。しかし、マスコミでは「8割外出自粛」という意味に誤解して国民に伝えているし、西浦氏はそれを訂正する気配がない。

例えば、「外出(人出)」を半分(50%)にして、「接触率」を半分(50%)にすると25%になる。つまり「接触機会」は75%削減される。

  • 計算式 「外出(人出)」×「接触率」=「接触機会」

 

2020年4月10日「実効再生産数」0.7

実効再生産数は1人が何人に感染させるかの値で1以下になれば、感染収束に向かう。2020年4月7日に「非常事態宣言」を行ったが、2020年4月10には「実効再生産数」は0.7に低下している。

自粛の効果が出るのは2週間後なので、2020年4月7日に自粛要請をして4月10日に「実効再生産数」が0.7になったのは、自粛の効果ではない。

つまり、8割自粛などしなくても「実効再生産数」が0.7となっており、「8割自粛」は意味なかったことになる。

そもそも2020年1月に中国武漢由来の新型コロナウイルスの感染が始まったが、2020年3月初旬までは感染者数は押さえられていた。

2020年3月後半から感染者は増加したが、欧米型「新型コロナウイリス」であり、3月の連休に国民の気が緩んで感染が拡大したのではない。

3月に欧米からの帰国者が増加し、日本の大学生も欧米に卒業旅行に行って感染して帰国したことが原因だ。それも2020年4月10日時点で「実効再生産数」は0.7になっており西浦氏の言う「8割自粛」の効果ではない。

西浦氏は「実効再生産数」が0.7で自粛解除すると1.0以上になるから実効再生産数を0.5以下にすることを目標としているのだろう。

しかし、実効再生産数が一時的に0.5になったとしても、日本は世界から食料や製品を貿易しているので貨物船や国際航空便を完全に止めることができないので、再び増加することは仕方がない。

したがって、周期的に実効再生産数が0.7から1.0以上になり、それを1年~2年繰り返すことになるのを許容しないといけない。

 

まとめ

西浦モデルでは、100倍も死亡率が違う欧米のR0(基本生産数)を日本に当てはめて「試算」するという日本の実情を無視した不正確なモデルだ。

また、日本国内でも80歳以上の高齢者の死亡率は30代の100倍も高いのに、それを一切考慮せず、単純に「8割自粛」というだけで不適正な理論だ。

西浦氏の個人的な目標「実効再生産数=0.5」のために、1億2600万人が2ヵ月も外出を自粛し、数十兆円の損失がでようとしている。もちろん、自殺者も出ている。

日本では季節性インフルエンザで毎年1万人が死亡しているが、新型コロナウイルスの死者は500人に過ぎない。

未知のウイルスなので新型コロナウイルスの死者数を年間1万人以下できれば封じ込めに成功したと言えるし、人口が日本の半分の6,000万人のイタリアと比較するなら日本の年間死者数が2万人~3万人以下でも合格点だと思う。

西浦氏は2020年4月10日の実効再生産数が0.7で収束に向かっていることを積極的に公表しておらず、自説に不都合なデータを公表しないようだ。

このような不誠実な1個人の目標のために、1億2600万人が検証もなく従い、数十兆円を失い、院内感染対策や高齢者対策はおざなりになって死者数を増加させる事態になるのではないか?

西浦氏の不正確な理論をそのまま受け入れる安倍政権も同罪だ。

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