アメリカ軍、シリアを限定空爆 トマホーク59発
2017年4月7日、アメリカ軍は地中海に展開する2隻の駆逐艦から合計59発のトマホークを発射し、シリアの空軍基地などを空爆した。
トマホークの仕様
- 巡航ミサイル
- 射程 2,500km~3,000km
- ジェットエンジン(ターボファン)で飛行(時速880km/h)
- 現行型ブロックⅣ(レイセオン製)
- 全長5.56m 翼幅2.67m 直径0.52m 重量1,220kg 弾頭295kg
- 価格1発約7,000万円
- 潜水艦発射、水上艦発射
なぜ、シリアを空爆したのか?
アメリカ軍は、シリアが2017年4月4日に化学兵器を反政府勢力に使用したと判断したため、シリア軍の空爆の拠点である軍事空港を空爆した。
さらに、北朝鮮への対応について、アメリカが本気であることを米中首脳会談中の習近平主席に示す目的もあった。
駆逐艦からトマホークを発射
トマホーク59発を地中海に展開する駆逐艦「ポーター」と駆逐艦「ロス」から発射し、シリア中部のホムスのシャイラト空軍基地の戦闘機、格納庫、燃料タンク、レーダーなど軍事施設を破壊した。
ミサイル駆逐艦「ポーター」(USS PORTER DDG-78)
- アーレイ・バーク級
- 満水排水量 8,776トン
- 全長153.9m
- 全幅20.1m
- Mk.41 mod.2 VLS × 90セル
- 「SM-2」「SM-3」「ESSM」「VLA SUM」
ミサイル駆逐艦「ロス」(USS ROSS DDG-71)
- アーレイ・バーク級
- 満水排水量 8,362トン
- 全長153.9m
- 全幅20.1m
- Mk.41 mod.2 VLS × 90セル
- 「SM-2」「SM-3」「ESSM」「VLA SUM」
空爆の効果
トマホークは時速880km/hで、これは民間航空機の速度とほぼ同じだ。例えば、440km先の目標に到達するまで30分かかる。したがって、夜間に攻撃することが多い。
弾頭の重さは約300kgで核弾頭も搭載可能だが、通常爆弾であれば破壊力は比較的小さい。
したがって、1つの空軍基地に対して59発のトマホークを発射しないといけなかった。
ロシア国防省コナシェンコフ報道官
ロシア国営テレビは、59発のトマホークのうちシリア軍基地に命中したのは23発で残り36発は目標を外したと報道した。
今後の展開
ロシアにとっては隣国が不安定であるほど都合がいい。政治的経済的に安定するとトルコのようにアメリカ軍基地ができる可能性があるからだ。
ロシアがシリアのアサド政権を支持しているため、アメリカはシリアを全面的に攻撃することはないだろう。