2017年11月29日午前3時18分頃、北朝鮮は弾道ミサイルを発射した。
- 高度4,500kmのロフデット軌道(山なりコース)
- 北朝鮮西岸から約1,000kmの距離を飛行
- 53分間飛行し、午前4時11分頃、着水
- 着弾地点は青森県の西約250kmの日本の排他的経済水域内に着水
- ミサイルは3つに分かれて着水
- 日本政府は、日本の領土、領海に着弾しないと予測されたため破壊措置は実施しなかった
- 日本政府は国連安全保障理事会開催を要求
- 北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのは2017年9月15日北海道・襟裳岬東約2,200kmの太平洋上に着水して以来
- 火星15号は、2017年7月に発射した「火星14型」の発展型と見られる
- 固体燃料式弾道ミサイルは燃料注入なしに発射でき、発見が難しい
- アメリカの軍事専門家によると通常軌道であれば射程は1万3000kmでワシントンを含む全米すべてが射程圏内に入る
- 大気圏再突入技術が完成したかどうかは不明
北朝鮮弾道ミサイル(火星)の射程と高度
火星12型 | 火星13型 | 火星14型 | 火星15型 | |
射程 | 5,000km | 1万km | 1万3000km | |
ロフテッド軌道高度 | 2,500km | 3,500km | 4,500km |
今後のアメリカの動き
1.迎撃能力の向上
アメリカは2017年11月にアラスカ州に迎撃ミサイル44基を配備しており、今後、十数基を追加配備すると見られる。
北朝鮮にICBMに対しては、ミッドコース段階でアラスカ州の迎撃ミサイルで防衛する。
さらに、イージス艦に射程の長い新型SM-3ブロック2Aを搭載し、迎撃能力を高める。
2.軍事的、経済的圧力の強化
国連決議などでさらに北朝鮮に経済的圧力を強化し、朝鮮半島周辺には空母を常時配備し、軍事的圧力をかけ続ける
3.米軍による先制攻撃
米軍が北朝鮮を先制攻撃する場合、史上初の核保有国同士の戦争となり、核戦争の可能性もある。
したがって、米軍は地上戦も視野に入れた戦争準備が必要であり、そんための期間は6ヵ月程度かかると予想される。
したがって、米軍の先制攻撃があるとすれば、2018年5月以降になると思われる。