2017年末にロシアは原子力推進の「巡航ミサイル」の開発に成功したとされる。
この原子力推進式「巡航ミサイル」は実質的に無限の航続距離とステルス能力を持ち、敵のあらゆる迎撃ミサイル網を回避して、敵国を核攻撃できる。
世界中のどこにでも巡航ミサイル攻撃ができることになる。
原子力推進とは?
巡航ミサイルは全長10m以下なので、原子力潜水艦に搭載されているような原子炉は搭載できない。
ロシアが公開したCG動画では、外形上は「ジェットエンジン推進」の巡航ミサイルのように見える。
プロペラ推進の可能性は、ほぼない
可能性としては、宇宙探査機に搭載されている「原子力電池」で発電して推進することも考えられる。
この場合、「原子力電池」で電気を発電し、電動プロペラで推進するのが最も簡単と思われる。
但し、ロシアの開発した「原子力推進」はこの方式ではなさそうだ。
ロシアの原子力エンジン
ロシアの原子力エンジンは、臨界状態の原子炉に液体水素などの「推進剤」を吹き付け、超高温、超高圧のガスにして、噴射することが考えられる。
しかし、この場合、推進剤を使い切れば、飛行できなくなるので、「無限の航続距離」とは言えない。
可能性としては、ジェットエンジンのように空気を吸い込み、原子炉に吹き付け、後方に噴き出す方式と思われる。但し、停止状態で空気を吸い込むことはできないので、発射段階では固体ロケットブースターを使用する可能性がある。
2019年8月 ロシアは原子力推進ミサイル実験で事故が発生した。
- 場所 ロシア北部アルハンゲリスク州ニョノクサ
- 開発会社 ロシアの国営原子力企業ロスアトム
- 放射能 1時間当たり2マイクロシーベルトの放射線量が観測され、その後、通常の0.11マイクロシーベルトまで減少した。
- 機種 ロシアは以前、原子力推進式巡航ミサイル「ブレヴェスニク」(ロシア語でウミツバメの意味)の実験を行なっているが、今回の実験がその機種かどうかは不明