宜野湾市長選で自民党系の候補が勝利
翁長知事派は、なぜ負けたのか?その理由を考えてみた。
宜野湾市は人気の住宅地
沖縄の人気の住宅地は那覇市の新都心(モノレール おもろまち駅)や隣接する浦添市だ。
しかし、最近、那覇や浦添の不動産価格が上昇したため、まだ、家賃の安い宜野湾市が人気の住宅地になってきた。
そういった新規で移住してくる人が増加した結果、政治的な問題より、自分たちの住環境をよくしたいという要望が強かった。
軍用地主は宜野湾市に住んでいない?
軍用地主は、基地が返還されると、地代が入らなくなるので、基地返還に反対の立場が多い。
軍用地は転売されることが多く、普天間基地の軍用地主は必ずしも宜野湾市内に住んでいない。
那覇市に居住する退職公務員や退職教員が軍用地を退職金で購入しているということをよく聞く。
軍用地の利回りは7%と言われ、銀行預金よりも有利な投資先になっている。
普天間基地軍用地主数と地代
普天間基地の軍用地主数は3,897人、地代総額は年間約73億円、一人当たり年間平均地代187万円となっている。
イオンライカム、北谷アメリカビレッジなど周辺の開発が進む
2015年には北城村の米軍施設返還地に県内最大級のショッピングモール「イオンカム」が開業した。周辺には同じく米軍施設が返還され「北谷アメリカビレッジ」が開発された。
特にイオンライカムはオープニングスタッフを時給1,000円で募集するなど、県内の雇用状況を一変させるほどの影響力があった。イオンライカム開業前は、最低賃金の時給680円での募集が多かった。
普天間基地の面積は400haあり、返還された場合、イオンライカム(敷地面積約18ha)以上の経済効果が期待できる。
名護市との違い
名護市は沖縄県北部に位置し、農業や観光を中心とする市で、宜野湾市は那覇市の近くで産業や住宅地が集積しているという違いがある。
名護市の市街地は沖縄本島の北側にあり、辺野古は沖縄本島の南側にある。同じ名護市でも別地区だ。
名護市の市街地の住民から見れば、辺野古地区は山を越えた滅多に行かないところの話で、基地の経済効果も名護市街地にはあまりないと思える。
まとめ&補足
宜野湾市民は政治的主張よりも、普天間基地返還と開発による経済効果を望んでいると思われる。普天間基地の騒音被害などを現実に受けている人の意見だろう。
那覇市には県庁職員、市役所職員、教職員やマスコミ関係者が多く住んでいる。また軍用地主も騒音被害のない那覇市内に住んでいると思われる。
那覇市民は普天間基地返還による地元への経済効果よりも、「基地反対」の立場をとることで日本政府から多額の補助金、公共事業を獲得する方が自分たちのメリットになると考えていると思われる。