今回の日銀の金融政策決定会合の注目点は2つ
1 イールドカーブコントロール
2 オーバーシュート型コミットメント
イールドカーブコントロール
通常のイールドカーブ(イメージ)
通常、短期金利が低く、長期金利は高い。例えば、1年物の短期金利が0.1%なら10年物の長期金利は0.9%となる。
これをグラフにすると、長期金利ほど金利が高いので、曲線のグラフになる。これをイールドカーブと言う。
現在のイールドカーブ(イメージ)
現在は短期金利がマイナス金利となり、長期金利も0%かマイナス金利となっていた。
今後のイールドカーブ目標(イメージ)
今後は、短期金利のマイナス金利は維持するが、10年物国債の長期金利を0%程度に誘導する。
これにより、金融機関も短期金利で資金調達し、長期金利で運用することで、利益を確保できる。
オーバーシュート型コミットメント
日銀はインフレ率を2%に目標としてきた。市場では2%に達すると日銀が金融引き締めに転換するのではないかという懸念があった。
そこで、今回、日銀はインフレ率が2%を超えた場合も金融緩和政策を維持すると「約束(コミットメント)」した。
市場の反応
日経平均は約300円の上昇と日銀の政策を評価した。しかし、海外投資家は「日銀は量的金利に対して消極的」との見方から、円高に推移すると判断している。
まとめ
日銀の金融政策は「量的緩和」から「金利政策」に変更になったと言える。
特に長期金利についてはマイナス金利ではなく0%に誘導することから、銀行の収益改善が期待される。