1月解散説
2016年12月15日、ロシアのプーチン大統領が来日する。北方領土の2島返還で合意するとの観測がある。もし、北方領土が返還されば、安倍首相は2017年1月にも衆議院を解散、総選挙に打って出るという見方がある。
しかし、衆議院の1月解散の可能性は低い
なぜ解散説がでたのか?
野党民進党党首に蓮舫氏が就任したが、二重国籍問題などで国民の支持を失っている。2017年1月に解散総選挙をすれば安倍自民党にとって好都合とされることから「1月解散説」がでてきたと思われる。
1月解散がない理由
平成29年度予算可決が遅れる
例年1月は、通常国会が開かれ、予算案の審議が始まる。衆議院での審議及び可決後に参議院で審議及び可決され成立する。平成28年度予算の可決成立は3月29日だった。
選挙がない場合でも3月末に成立する。もし、1月に衆議院が解散総選挙となれば、平成29年度予算の成立は早くても4月末とまる。
予算の成立が遅れれば、一時的に補正予算を成立されるが、これは最低限の国の機能を維持する予算であり、景気対策などの予算は執行できなくなり、日本経済に悪影響がでる。
2016年7月にも衆参W選挙の噂があったが、実際にはなかった。これは安倍首相が熊本地震の影響を考えて、地方自治体の事務負担や被災者の負担軽減のため敢えて実施になかったためだ。
2011年3月11日、東日本大震災が発生した。当時の民主党菅首相は地震翌日に福島原発に乗り込んで現場を混乱させた。安倍首相はこのことを反面教師にしている。
ちなみに1月の衆議院解散は1990年の海部内閣以来一度もない。
自民党総裁任期延長問題
自民党の総裁任期は現在「2期6年」だが、これを「3期9年」に延長する案が出ている。この問題を解決してから衆議院解散を行う可能性が高い。しかし、この問題は自民党内部のことなので、平成29年度予算成立後に審議されると思われる。時期的には2017年5月~6月に結論が出るだろう。したがって、衆議院の解散総選挙は2017年7月以降になると予想される。
衆議院区割り案
衆議院定数是正のための小選挙区の区割りの改正が検討されている。2017年5月27日までに「0増6減」の区割り案が首相に勧告される予定だ。その後、政府は公職選挙法改正案を国会に提出する。この改正案の成立は2017年7月~8月になると予想される。
衆議院解散総選挙は区割り案成立前にも可能だが、やはり、区割り案成立後の2017年9月以降に実施する可能性が高い。
まとめ
1月解散は、予算成立が遅れ、経済に悪影響が予想されるので、安倍首相は実施しないと思われる。
また衆議院解散前に、自民党総裁任期延長、衆議院小選挙区区割り改正を実施すると考えられる。
したがって、衆議院の解散は早くでも2017年6月~7月、本命は2017年9月と予想される。