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キッシンジャー氏は、習近平主席に何を伝えたのか?2016年12月

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キッシンジャー氏と習近平主席の会談

2016年12月3日、中国北京でキッシンジャー氏と習近平主席が会談した。

その同じ日に、トランプ氏は台湾の祭英文総統と電話会談した。

これは偶然ではない。そこに、周到なトランプ氏の外交戦略があった。

キッシンジャー氏はアメリカの元国務長官で、忍者外交と言われる独自、かつ大胆な外交を行ったことで有名だ。今でも米中の仲介者として大きな影響力を持つ。

時系列で説明すると

  • 2016年11月17日 NYのトランプタワーで安倍首相とトランプ氏が会談
  • 2016年11月17日 NYのトランプタワーでキッシンジャー氏とトランプ氏が会談
  • 2016年12月3日 キッシンジャー氏が中国北京で習近平氏と会談
  • 2016年12月3日 トランプ氏が台湾の祭英文総統と電話会談

当ブログの分析

まず、キッシンジャー氏は、トランプ氏が台湾の祭英文総統と電話会談をすることを事前に知っていたはずだ。

もし、知らなかったら、キッシンジー氏は習近平氏の前で大恥をかくことになる。トランプ氏は、人脈を大切にする人間なので、キッシンジャー氏には、連絡していたはずだ。

それにしても、キッシンジャー氏と習近平氏が会談している日に、トランプ氏が台湾の祭英文総統と電話会談をしたのはなぜか?

キッシンジャー氏が習近平氏を会談して、アメリカに帰国してから、台湾の祭英文総統と電話会談すればいいはずだ。

ここから、トランプ氏が台湾の祭英文総統と電話会談を急いでいたことがわかる。

別の言い方をすれば、キッシンジャー氏が習近平氏と会談することを待って、台湾の祭英文総統と電話会談したとも言える。

では、なぜ急いでいたのか?

2016年12月時点、トランプ氏は大統領就任前なので、台湾と外交的に解決しないといけない問題はない。大統領就任後に、アメリカから台湾に武器輸出する狙いがあったとしても、至急に電話会談する理由にはならない。

トランプ氏は、アメリカの保守派の支持を受けて当選したし、大統領政権移行チームにも保守派が多い。トランプ氏は保守系スタッフの期待に応えるために、急いで台湾の祭英文総統と電話会談したと思われる。

つまり、トランプ氏は、本音としては、対中国強硬派ではなく、大統領選挙に勝つために、保守層向けに「対中国強硬政策」を打ち出している可能性がある。

実際、キッシンジャー氏を通じて習近平主席に、なんらかのメッセージを伝えた可能性が高い。

そのメッセージとは、「アメリカ国内の保守層向けに台湾総統と電話会談するが、中国と対立するつもりはない」と言った内容である可能性がある。

もし、このような内容が、外部に漏れた場合、トランプ氏はアメリカ国内の保守層の支持を失うことになる。したがって93歳という高齢のキッシンジャー氏が中国まで出向いて、トランプ氏の意図を習近平主席に伝えたと考えられる。

つまり、トランプ大統領は表面上、反中国の立場だが、絶妙なバランスで中国との決定的対立を避ける方針だ。

それは大統領就任後にも、見られた。

アメリカ大統領は、春節(旧正月)に中国系米国人向けの祝賀メッセージを発表することが慣例となっていた。しかし、トランプ大統領は2017年の春節でこの祝賀メッセージを発表しなかった。

しかし、2016年2月1日、娘イヴァンカ氏と孫娘アラベラちゃんがワシントンの中国大使館を訪れている。このように、トランプ大統領は中国強硬派の面と親中国の立場を使い分けているのだ。

 

実は中国人と親しいトランプ家

トランプ氏は人脈を大切する人間で、その中のもっとも信用している人物が、メディア王のルパード・マードック氏だ。

そのマードック氏の3番目の妻だったのが、ウェンディ・デンという中国生まれの中国系米国人だ。

彼女は1968年中国江蘇省生まれの48歳で、マードック氏はすでに離婚している。そのウェンディ・デン氏はトランプ家と家族ぐるみの付き合いをしていた。

特に親しくしていたのがイヴァンカ氏で、彼女の娘アラベラちゃん(トランプ大統領の孫)が小さいときから中国語(北京語)を勉強しているのも、ウェンディ・デン氏の影響と言われる。

ウェンディ・デン氏は、イギリスの元首相、トニー・ブレア氏と親しくなったため、マードック氏と離婚したと言われる。

さらに、ウェンディ・デン氏はロシアのプーチン大統領とも交際していたという噂まである。

橋本龍太郎元首相の中国人女性通訳のようは役割をしていた可能性がある。

 

キッシンジャー氏とは?

ベトナム戦争(1975年終結)の泥沼状態を解決するため、中ソ対立を利用し中国に接近した。

1971年、「ニクソンショック」と呼ばれたニクソンの中国電撃訪問(1972年に訪中)を画策し、忍者外交と呼ばれる外交を演出した。

しかし、いつのまにか、中国に取り込まれ、米中間の調整役、中国の代弁者としてアメリカ国内で絶大な影響力を持つようになった。

彼は1923年ドイツのユダヤ人家庭に生まれた。日本がドイツと三国同盟を作っていたためか、日本嫌い。

トランプ大統領は、キッシンジャー氏を外交指南役としてしていることから、単純な反中国という立場ではない。

また、トランプ大統領と安倍首相の関係は今のことろ良好だが、親中派のキッシンジャーの工作で、電撃的な米中接近、「ニクソン・ショック」の再現となる「トランプショック」が起こる可能性もある。

 

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