NEWS24-WEB

個人ブロガーによる国際・防衛問題分析ブログ

国際情勢・防衛

なぜ、韓国は原子力潜水艦を購入するのか?

2018/06/20

アメリカ軍 原子力潜水艦 (出典 US NAVY)

韓国がアメリカから原子力潜水艦を購入する計画が浮上している。一見オーバースペックとも思えるが、なぜ韓国は原子力潜水艦を導入しようとしているのか?
スポンサーリンク


北朝鮮がSLBMを開発

北朝鮮が潜水艦発射ミサイル(SLBM)を開発している。潜水艦は海中に潜伏しているので、発見するのが困難となる。

したがって北朝鮮軍が潜水艦から発射した弾道ミサイルを、韓国軍が迎撃するのは極めて難しい。

そのため、韓国軍は北朝鮮のSLBM(弾道ミサイル)が潜水艦から発射される前に、潜水艦を攻撃することが極めて重要になる。

そのために「攻撃型潜水艦(attack submarine)」を必要としていた。

 

なぜ原子力潜水艦なのか?

通常型潜水艦は、ディーゼルエンジンで発電、蓄電して推進するため、2日~3日しか潜航できない。

日本のそうりゅう型潜水艦は非大気依存推進AIPを搭載し数週間潜航できるが、日本以外の通常型潜水艦で数週間潜航できるものは少なく、また、軍事機密のため輸入できない可能性が高い。

原子力潜水艦ならば設計上10年間、燃料交換なしで潜航できる。実際には、乗組員の体力、気力のため3ヵ月間で交代するが、それでも、数か月間、一度も浮上せず警戒監視ができる。

酸素も真水も原子炉で発電した電気を使って潜水艦内で発生させることができる。

 

ドイツから導入した潜水艦の不具合

韓国はドイツのHDW社が設計した「214級」潜水艦(1,860トン)を9隻ライセンス生産する予定だ。

しかし、6番艦まで完成しているが、スクリュー音が設計よりも40デシベルも大きいなど不具合が多発し、長期修理している状態で実戦能力は低い。

また、韓国の「214型」潜水艦は燃料電池を使用した非大気依存推進AIPを採用しており、設計上では数週間潜航できるはずだが、やはり不具合のため数日しか潜航できない。

今さら別の通常型潜水艦を導入すると「214型」潜水艦が失敗だったと認めることになり韓国軍のメンツがつぶれる。

しかし、原子力潜水艦ならば、214型潜水艦の失敗を認めることなく、「日本より高性能な潜水艦」を導入したことになり、韓国軍のメンツを保てる。

スポンサーリンク


「そうりゅう型」潜水艦(日本) 214型潜水艦(韓国)
潜航深度 700m~900m(推定) 250m(試験で400m)
全長 84m 65m
全幅 9.1m 6.3m
基準排水量 2,900トン 1,700トン
水中排水量 4,200トン 1,860トン
水中速度 20ノット(時速37km) 20ノット(時速37km)
水上速度 13ノット(時速24km) 12ノット(時速22km)
乗員 65名 27名
建造費 560億円  250億円
AIP(非大気依存推進) 水中速度5ノット(時速9km) 水中速度4ノット(時速7km)
連続潜航期間 3~4週間 設計上 数週間(現実 数日)

 

日本のそうりゅう型よりも高性能な原潜が欲しい

韓国は日本の自衛隊をライバル視しており、装備面でも自衛隊よりも性能のいい兵器を配備したがる傾向がある。

日本の「そうりゅう型潜水艦」は世界最高性能の通常型潜水艦であり、これより高性能な通常型潜水艦はない。したがって、韓国にとって選択肢は原子力潜水艦しかない。

 

文大統領の意向

文大統領は兵役で潜水艦潜入訓練の経験もあり、潜水艦に思い入れが強い。

2003年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏が大統領に就任すると、文大統領は大統領府(青瓦台)の民情首席に就任した。

そして原子力潜水艦を実戦配備するという計画を立てた。この計画は「362事業」(2003年6月2日に報告したことからつけられた名称)と呼ばれ原子力潜水艦3隻を2020年までに実戦配備するという計画だった。

 

韓国の配備計画

原子力潜水艦は10年間燃料補給が不要だが、乗組員は半年で交代する。そのため3隻ないし、4隻の原子力潜水艦が必要となる。

 

米国の動き

アメリカは対中国のけん制として、韓国に原子力潜水艦を売却する可能性がある。

 

将来の韓国の目標

韓国は原子力潜水艦と並んで核兵器保有も目指しており、将来的には原子力潜水艦に核ミサイルを搭載する可能性がある。



-国際情勢・防衛

error: Content is protected !!