任天堂は、2016年10月26日に中間決算と通期の業績見通しを発表した。
平成29年3月期中間連結業績
2016/9中間 | 前期 | |
売上高 | 1,368億円 | 2,042億円 |
営業利益 | -59億円 | 89億円 |
経常利益 | -308億円 | 164億円 |
純利益 | 382億円 | 115億円 |
平成29年3月期通期連結業績予想
通年 | 2016/10予想 | 前回予想 | 平成28年実績 |
売上高 | 4,700億円 | 5,000億円 | 5,045億円 |
営業利益 | 300億円 | 450億円 | 329億円 |
経常利益 | 100億円 | 450億円 | 288億円 |
純利益 | 500億円 | 350億円 | 165億円 |
1株当たり純利益 | 416円22銭 | 291円35銭 | 137円40銭 |
前回予想売上5,000億円(年間)に対して4,700億円と-300億円の減収予想と下方修正となった。しかし、最終純利益は500億円となり、前回予想の350億円よりも上方修正となっている。
これは米メジャーリーグ球団マリナーズの売却益627億円が含まれるためだ。また、2017年3月に、新型ゲーム機「Switch」を販売し本年度中に200万台を出荷する予定でありそれも決算予想に含まれると思われる。
スポンサーリンク
ポケモンGOの利益
ポケモンGOは、株式会社ポケモンとアメリカ企業のNIANTICが開発販売を担当する。任天堂は(株)ポケモンに出資しており、出資比率に応じて投資利益を得る。
2016年6月~9月の任天堂の(株)ポケモンからの投資利益は120億円となり、決算上、営業外収益に計上されている。
営業外収益とは本業外の収益のことで、通常は株式投資の利益などを言う。ポケモンGOというゲームからの収益だが、(株)ポケモンが開発担当しているため、任天堂は(株)ポケモンからの投資利益を得るこになり営業外収益で計上している。
しかし、ホケモンGOのゲーム収益は、投資利益というより、本業の利益(ゲーム収益)と考えることもできる。
もし、ポケモンGOの利益を本業利益として計算すると、1四半期120億円なので3四半期分360億円が売上と利益に加算される。
当ブログ修正の平成29年3月期通期連結業績予想
通年 | 2016/10予想 | 前回予想 | 平成28年実績 |
売上高 | 5,060億円 | 5,000億円 | 5,045億円 |
営業利益 | 660億円 | 450億円 | 329億円 |
経常利益 | 460億円 | 450億円 | 288億円 |
純利益 | 500億円 | 350億円 | 165億円 |
1株当たり純利益 | 416円22銭 | 291円35銭 | 137円40銭 |
ポケモンGOの収益を本業として決算を修正すると、前回予想よりも業績の改善が見られる。
しかし、ポケモンGOが今後も四半期で120億円の利益をもたらすかどうかは不透明だ。また、マリナーズの売却益627億円がなければ、最終赤字になった可能性もあり、今回の任天堂の決算はプラス材料とは言い難い。
したがって、今回の決算で任天堂の株価が上昇するか下落するかは評価が分かれる。今のところ判断ができない。ただ、ポケモンGOが四半期で120億円、通年換算で480億円とわかった。
従来はポケモンGOのゲーム収益は年間2,000億円~3,000億円とされ、任天堂の収益寄与分は10%の200億円~300億円と予想されていたので、それよりも480億円は大きい。