今、世界的に中国の鉄鋼生産の過剰生産が問題になりつつある。
世界の粗鋼生産量 2015年
順位 | 国名 | 鉄生産 |
1 | 中国 | 8億400万トン |
2 | 日本 | 1億500万トン |
3 | インド | 8960万トン |
4 | アメリカ | 7900万トン |
5 | ロシア | 7100万トン |
6 | 韓国 | 6970万トン |
7 | ドイツ | 4300万トン |
世界合計 | 16億2000万トン |
中国の鉄鋼生産
中国の粗鋼生産量は年間約8億トンと全世界の粗鋼生産量16億トンの約半分となっている。中国の国内需要は約4億トンで、4億トンが過剰生産となっており、そのうち、約1億トンが世界に輸出されている。
この安い中国の鉄鋼輸出の結果、世界的に鉄鋼価格が低下し他の粗鋼生産国のメーカーが経営的に危機に陥っている。
なぜ中国は粗鋼の生産過剰を辞められないのか?
中国の農村は衰退してる。中国の地方には鉄鋼メーカーくらいしか、大きな工場がない。したがって中国の地方政府は鉄鋼メーカーを財政的に支援して従業員の雇用を維持している。
もし、中国の過剰生産をやめるなら、中国全土の各地で万単位の失業者が発生し、地方の経済が破綻する危険性がある。
日本への影響
日本の製鉄業は高品位商品が多く、中国の低品質の鉄鋼とはあまり競合はしていない。しかし、世界的な鉄鋼価格の低下により、日本企業も悪影響を受ける可能性が高い。
まとめ
中国の鉄鋼メーカーは500社あり、地方政府と密接な関係がある。鉄鋼の過剰生産を解消すると多くの鉄鋼メーカーは倒産し、数万人の失業者が発生する。そうなると、暴動が多発し中国の治安が悪化する。
国際的にも中国の鉄鋼の安値輸出は批判されている。簡単には解決できない問題で、確実に中国の経済を悪化させる要因になっている。