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台湾 国産潜水艦 試作艦「海鯤(かいこん)」2023年9月28日進水、2024年末に台湾海軍に引渡し 最終的に8隻を自国建造

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台湾国際造船は、台湾国産潜水艦の試作艦「海鯤(かいこん・Hai Kun・ハイクン)」の進水式を2023年9月28日に台湾南部の高雄市で行った。

海鯤の全長は、約70m、幅約8m、排水量約2,500~3,000トン、建造費は約494億台湾元(約2300億円)で、2024年末までに台湾海軍に引き渡される予定。

その後は2025年に3隻、2027年に4隻を調達し、今回の試作艦を含め合計8隻になる予定。

(2027年までに少なくとも2隻を実戦配備するという情報もある)

ちなみに「鯤」は古代の伝説に伝わる大魚を意味する。

台湾新型潜水艦(推定)仕様

(当ブログの予想)

艦級 台湾新型潜水艦(推定) そうりゅう型潜水艦
潜航深度
  • 水深300m~400m(試作艦)
  • 水深400m~600m(完成形)
  • 運用時650m
  • 最深900m(推定)
全長 70m 84m
全幅 8m 9.1m
基準排水量 2,500トン 2,900トン(5番艦以降2,950トン)
水中排水量 3,000トン 4,200トン
水中速度 20ノット(時速37km) 20ノット(時速37km)
水上速度 13ノット(時速24km) 13ノット(時速24km)
乗員 60名 65名
建造費 2,300億円(8隻で2兆円) 530億円~560億円

(11番艦660億円)

AIP 1番艦にはAIPは非搭載

2番艦以降「ドイツ製燃料電池」搭載か?

スターリングエンジン

11番艦・12番艦はリチウムイオン電池

兵装 533mm魚雷発射管×6門 533mm魚雷発射管×6門
魚雷等 Mk48魚雷・ハープーン(合計28本) 89式魚雷・18式魚雷・ハープーン(合計20本)
X舵 X舵
航続距離 12,000km
建造数 8隻 12隻

 

以下は過去記事

台湾は潜水艦8隻を自国建造する。

台湾の民間造船会社大手「台湾国際造船」が台湾南部の「高雄市」で建造し、1番艦は2024年に完成、2025年に就役予定で、建造費は1隻当たり約1,800億円。

2027年までに少なくとも2隻を実戦配備し、最終的には2030年~2035年までに合計8隻を建造すると見られる。

2021年3月2日、台湾国防部は「米国の他に欧州の複数国が支援している」と発表した。

通常型潜水艦の建造能力から考えてイギリス、ドイツ、フランスの可能性が高い。

また、イギリス領ジブラルタルを拠点とする防衛コンサルタント企業 Gavrond 社との潜水艦の予備設計の監督について16億ドルで契約しているとされる。

 

CNNによると「リチウムイオン電池」を搭載する。
引用・参照 https://www.cnn.co.jp/world/35165133.html

台湾は現在4隻の潜水艦を有するが、うち2隻は米国製で1940年代に建造された「テンチ級ガピー改修型」、2隻は1980年代に就役した「海龍級(劍龍級)」で旧式化していた。

米国などに潜水艦の売却を求めてきたが、中国の妨害により実現しなかったため、台湾が自国建造に踏み切った。

 

台湾の新型潜水艦は、ディーゼルエンジン駆動の通常動力型潜水艦で、設計・デザインは、日本の海上自衛隊「そうりゅう型」などを参考にし、米国製の戦闘システムを導入する見込み。

台湾国防部のシンクタンクである国防安全研究院の蘇紫雲所長は「6割は台湾の技術、4割は欧米などの技術輸入に頼ることになる。完成形としては、標準的な潜水艦よりも上のレベルのものになる」との見通しを公表した。

 

米国は最近、台湾への武器輸出を加速させている。したがって、アメリカが潜水艦建造技術を提供した可能性が高い。

しかし、アメリカは通常型潜水艦を製造していない。

また「設計・デザインは、日本の海上自衛隊のそうりゅう型などを参考にし、米国製の戦闘システムを導入」と発表されてる。

これはオーストラリアの潜水艦プロジェクトに応募した組み合わせと似ている。

「そうりゅう型船体+米軍装備」というのは、かなり確実で、米軍装備として米国製Mk48魚雷とハープーンが採用されると予想される。

 

AIPを搭載か?

2番艦以降はAIPを搭載する可能性があるが、そうりゅう型AIP(スターリングエンジン)は海自の現場隊員からも不評で採用されないと思う。

そうなると、ドイツは輸出用潜水艦「214型」に燃料電池を搭載しており、台湾の潜水艦にドイツ製燃料電池が採用される可能性がある。

これが実現すると「そうりゅう型船体+米軍装備+独燃料電池」という高性能潜水艦になる可能性がある。

 

最大潜航深度

また、台湾側は「完成形としては、標準的な潜水艦よりも上のレベルのものになる」としているので、最大潜航深度は試作艦で「水深300m~400m」、完成形で「水深400m~600m」ではないか?

1番艦は、試験艦的な役割もあり、高性能を追求するのではなく、建造技術を確立する狙いがあると思われる。

したがって、2番艦以降は高性能型となる可能性がある。

(当ブログの予想)

  • 2035年以降、中国軍は、日本の潜水艦22隻+台湾潜水艦8隻=30隻と対決しないといけない。
  • もし、台湾の新型潜水艦が「そうりゅう型潜水艦」に近い性能ならば、中国海軍に勝ち目は1%もない。
  • 逆に言うと、中国軍が尖閣や台湾に侵攻するのは2030年頃までが「ラストチャンス」になり、今後さらに緊張状態が高まる可能性がある。
  • 今回の台湾の新型潜水艦建造は、中国と台湾の軍事バランスに大きな影響を与える。

米国はブッシュ政権は2001年に台湾への潜水艦の売却方針を固めたが、中国の激しい反発があり断念した。

これに対して台湾海軍の強い要望で、馬英九前政権は自前による潜水艦(IDS)建造計画を計画していたが、親中国派の馬政権では実現しなかった。

しかし、2016年に総統に就任した蔡英文・民進党政権下で潜水艦(IDS)建造計画が再び浮上し、今回の建造となった。

 

現在の台湾海軍潜水艦性能諸元

型式 海龍級(劍龍級) テンチ級ガピー改修型(茄比級)
全長 66.9m 306フィート(約93m)
全幅 8.4m 27フィート(約8.2m)
水上排水量 2,367トン 1,800トン
水中排水量 2,667トン 2,400トン
水上速度 12ノット 12ノット
水中速度 20ノット 10ノット
魚雷発射管 6門 無し(当ブログ予想)
保有数 2隻 2隻
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