ヒラリークリントンと中国
ビル・クリントン元大統領は在任中、中国と関係が深かった。しかし、ヒラリーはオバマ政権で中国の南シナ海進出を非難した。
ヒラリーは新中派と思っていたので、彼女が中国を批判することに違和感を感じた。ヒラリーは中国という国と親しいのではなく、中国の江沢民派と親しいと考えれば説明がつく。
つまり、ヒラリーは江沢民派と親しく、現在の習近平政権とは対立関係にあった。ヒラリーが中国の南シナ海進出を批判したのは、中国という国を批判したのではなく、習近平政権を批判したのだった。
2016年10月、ヒラリーは日本の安倍首相に自ら会談を申し入れた。親中派の彼女が日本の首相に会談を申し込みことはありえないと思った。
そこには、習近平政権がヒラリーを支持していないため、日本を味方につける意図があったと思われる。
中国の権力闘争に巻き込まれた米大統領選挙
アメリカには中国系移民が多く、アメリカ国籍を取得している。彼ら中国系アメリカ人は中国本土からの指示でアメリカで政治活動、政治献金、投票をしている。
2010年 | |
中国系 | 335万人 |
インド系 | 284万人 |
フィリピン系 | 256万人 |
ベトナム系 | 155万人 |
韓国系 | 142万人 |
日系人 | 76万人 |
2010年現在、中国系アメリカ人は335万人とアジア圏では最大人数となっている。アメリカの人口3億人の中では約1%と少ないように思える。
しかし、アメリカ国内のユダヤ人は600万人で政治的、経済的影響力を持っていることを考えると、中国人335万人もかなりの影響力を持っていると思われる。
例えば、江沢民の孫はハーバード大を卒業、米投資銀行ゴールドマン・サックスに勤務、現在では、投資ファンドを設立し華僑などから1000億円を調達したとされる。
このような状況で中国国内の習近平と江沢民の対立がアメリカの大統領選挙にも影響を及ぼしたと考えられる。
習近平→支持 | トランプ |
江沢民→支持 | ヒラリー |
江沢民派がヒラリーを支持したのは事実だろうが、習近平がトランプを積極的に支持したかどうかはわからない。
少なくとも、江沢民がヒラリー支持なら、習近平は対抗上一応トランプ支持という程度のものだろう。
まとめ
中国国内の習近平主席と江沢民氏の対立が、トランプ氏とクリントン氏の大統領選に影響を与えた可能性がある。
中国系アメリカ人は335万人おり、200万票~250万票の影響力はあったと思われる。
習近平主席とトランプ大統領が接近する可能性もある。
2015年中国市場での販売台数 | |
GM(アメリカ) | 361万台 |
VW(ドイツ) | 354万台 |
アメリカ企業は中国で工場を建設し、中国国内でも販売好調だ。またアメリカに逆輸入すれば、生産コストが安いので大きな利益を上げられる。
アメリカ企業にとっては日本よりも中国ビジネスの方がメリットが多い。
アメリカの貿易赤字は中国が最大となっているが、実態はアメリカ企業は中国に工場建設して、アメリカに逆輸入している金額が大きい。
したがって、アメリカの対中貿易赤字が原因で米中関係が悪化する可能性は低い。
ビジネスマンのトランプ大統領にとっても、ビジネス的に、日本よりも中国を重視する可能性がある。
「アメリカ、ロシア、中国の3ヵ国協調体制」となるのか?「アメリカ、ロシア、日本の3ヵ国協調体制」となるかの大きな節目にある。
もし、「アメリカ、ロシア、中国の3ヵ国協調体制」ができれば、日本には計り知れないデメリットがある。第二次世界大戦と同じ構造だ。
これは絶対に避けなけれなならない。在日米軍の駐留経費で2,000億円~3,000億円の負担増加なら日本政府は応じるべきだろう。