2015年8月からの中国経済減速懸念で世界的に株価が下落した。
しかし、2015年の年末にかけ、日経平均は20,000円をうかがう展開になっている。
郵政3社の上場がバブルのきっかけになった1987年のNTTの上場と重なるとして、30年ぶりに日本株もバブルになるのではないかとい見方がある。果たして、バブルになるのか?
1980年代のバブルとの違い
1980年代~1991年のバブル経済は、企業も個人事業者が銀行から借金して株や不動産を買った。中には自己資金0円で、全額借金で投資した例もあった。
まさに、何もないないところから株や不動産が上昇し、そのあぶく銭を湯水のように使って、さらに景気が過熱した。これが1980年代~1991年のバブルの実態だ。
今は借金して株に投資するものは皆無だろう。したがって、1980年代のような借入金を原資としたバブルは発生しない。
1700兆円の個人金融資産と240兆円の企業保有の現預金
日本の個人金融資産は1700兆円、企業も内部留保を貯めた結果、保有する現預金は240兆円になっている。個人金融資産のうち株式は8%で、54%は現預金だ。
この現預金が株式市場に流れこんだら、数十兆円、買い需要が発生する。
政府も「預金から株式へ」の流れをつくるため、少額非課税口座(NISA)を作った。2016年には年間の非課税枠が120万円に拡大され、年間枠80万円のジュニアNISAも新設され、祖父母から孫への贈与資金も株式市場に取り込もうをしている。
この「預金から株式へ」の流れのなかで、郵政3社が新規上場した。配当性向も50%を目指すとし、預金金利が0.1%以下であるのに対して配当率は2~3%と予想される。
株価が再び2万円近辺まで上昇しているのはなぜか?
民主党政権時に1ドル=80円まで円高になったが、今は1ドル=120円まで円安となり、輸出企業が日本に生産拠点を戻しつつある、またメガバンクなどPBRが1.0倍以下の割安に放置されていたが、正当に再評価されつつある。
円安と企業の再評価が続けば、2020年の東京オリンピックにかけ、日経平均株価は2万5000円~3万円になってもおかしくない。今は、日本株を正当の再評価する時期だと言える。
ただメガバンクは数年前からPBR1.0倍以下の割安水準で低迷しているので、PBR1.0倍以上になるまで、年単位の時間がかかることもある。