日本の迎撃体制
自衛隊の迎撃体制は、まず、イージス艦搭載のSM3ブロック1A(ミサイル)で迎撃する。
それが迎撃に失敗した場合は次に、航空自衛隊の陸上配備地対空ミサイルPAC-3で迎撃する二段構えの体制だ。
SM3ブロック1Aの性能
SM-3 ブロック1A | |
高度 | 160km~600km |
射程 | 500km~1,200km |
北朝鮮の銀河3号(弾道ミサイル)の高度は約500kmなので、SM3ブロック1Aで迎撃できるかどうかは微妙。
SM3ブロック2Aなら迎撃できる可能性がある
今後配備されるSM3ブロック2Aは高高度まで射程が伸びるので、高度500kmの北朝鮮のミサイルを迎撃できる可能性が高い。
PAC-3(陸上配備型地対空ミサイル)
射程は20kmとされる。極めて範囲が狭く、国の重要施設のみをカバーする体制。また、上空20kmで迎撃できても、破片が地上に落下する恐れがある。
北朝鮮のミサイル迎撃のために宮古島、石垣島、沖縄本島、東京に配備された。
北朝鮮のミサイルは発射から10分で日本に到達する
北朝鮮のミサイルは発射から10分で日本に到達するので、自衛隊に迎撃できる権限を予め与える必要がある。
日本の領空とは高度いくらまで?
国際的慣習では高度100kmまでを領空とする。北朝鮮のミサイルの高度は500kmなので、日本の領空とは言い難い。
まとめ
北朝鮮のムスダンは高度1,000kmに達しそこから日本列島にマッハ5で落下する。現在の自衛隊の迎撃ミサイルSM3ブロック1Aでは迎撃は不可能だ。しかし、今後配備されるSM3ブロック2Aならば迎撃できる可能性がある。
SM3ミサイルの射程は1,000km以上だが、PAC3の射程距離は20kmと短い。これはPAC3が砂漠にある米軍基地を守る防衛ミサイルとして開発されたためだ。
SM3ミサイルとPAC3ミサイルの中間として射程200kmのTHAADミサイル(高高度防衛ミサイル)がある。在日米軍は青森と京都にTHAADミサイル用Xバンドレーダー「AN/TPY-2」を配備している。
THAADミサイルの配備が必要になってきている。