報道によると、ジャーナリストで民間のシンクタンク「独立総合研究所」社長の青山繁晴氏が7月10日投開票の参議院選挙に出馬する。
青山繁晴氏 経歴
1952年 | 兵庫県生まれ |
1979年 | 早稲田大学政経学部卒業 |
1979年 | 共同通信社入社 |
1997年 | 共同通信社退社 |
1998年 | 三菱総研入社 |
2002年 | 独立総合研究所設立 |
2007年 | 近畿大学客員教授 |
参議院比例区に出馬予定
参議院選挙には選挙区(東京、大阪など)と比例区がある。そのうち比例区に出馬すると見られている。選挙区であれば、今から選挙活動しても組織が間に合わないと見られるからだ。
なぜ参議院選挙に出馬するのか?
安倍首相から直接電話で出馬要請があったとされる。安倍首相は改憲派で参議院の3分の2の議席を獲得する意図があったと思われる。
前回2013年の党別得票数を見てみると、自民党は約1,800万票で18議席を獲得している。参議院の3分の2の議席を獲得するには比例区で2,000万票が必要と思われる。その差200万票の獲得を目指して青山氏に出馬要請したと思われる。
2013年参議院選挙比例区 | ||
党名 | 得票数 | 当選議席数 |
自民党 | 1,846万票 | 18議席 |
公明党 | 756万票 | 7議席 |
民主党 | 713万票 | 7議席 |
日本維新の会 | 635万票 | 6議席 |
みんなの党 | 475万票 | 4議席 |
共産党 | 515万票 | 5議席 |
社民党 | 125万票 | 1議席 |
改憲に必要な参議院3分の2の議席数は?
憲法改正の発議には参議院でも3分の2の議席が必要。現在、参議院の定員は242議席で3分の2は162議席となる。
非改選の改憲派議員数は自民66議席、公明11議席、おおさか維新5議席、日本のこころ3議席の85議席だ。
したがって今回の改選議席121議席中、改憲勢力が77議席を獲得すれば参議院の3分の2に達する。このうち、公明と維新が現状維持の9議席と3議席とすると、自民は65議席以上獲得しなければならない。
自民の改選議席は50議席(比例12議席、選挙区38議席)なので15議席の増加が必要。比例区で2,000万票獲得できれば、20議席を獲得できる。そうなると選挙区で45議席を獲得すればいい。前回の自民党の選挙区の改選議席は38議席だったので7議席の増加が必要になる。
青山氏の擁立は憲法改正を視野に入れ、比例区で2,000万票を獲得する安倍総理の戦略と思われる。