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国内政治

沖縄人はなぜ普天間基地の辺野古移設に反対するのか?

2018/11/07

普天間飛行場(2018年4月 筆者撮影)

沖縄人全員が移転反対ではない

普天間飛行場を廃止して辺野古に移設すれば、普天間基地周辺の住民にとって基地負担の軽減になるのに、なぜ沖縄の人たちが反対するのか?

まず、必ずしも沖縄人全員が辺野古移設に反対というわけではない。

沖縄人と言っても軍用地主と一般県民とは立場が違う。

当ブログ管理人は沖縄県出身ではないが、沖縄人のそれぞれの立場について分析してみた。

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沖縄県民全員が翁長知事に投票したのではない

2014年の沖縄県知事選挙を分析すると

投票率 64.13% 有権者数 1,098,337人
翁長雄志氏 360,820票 51.7%
仲井眞弘多氏 261,076票 37.3%
下地幹郎氏 69,447票 9.9%

 

翁長雄志氏の得票数は有権者の32.9%

翁長知事に投票したのは、沖縄の有権者約110万人の約3割

仲井眞氏に投票したのは沖縄の有権者約110万人の2割

ということになる。

 

普天間周辺を含む軍用地主は辺野古移設に反対と思われる

沖縄全体で軍用地賃借料毎年900億円が支払われている。

沖縄軍用地主会連合会には23の地主会が所属し、地主数は約4万2000人、一人当たり年間地代は214万円となっている。

彼らは軍用地が返還されると一人平均毎年214万円の地代収入を失うので辺野古移設には反対の立場が多い。

普天間飛行場の面積は481haで軍用地主3,354人に対して毎年、軍用地代66億円(2008年)が支払われている。

沖縄全体の軍用地主数4万2000人ということは、家族親戚も含めれば10万票という大きな勢力になる。

 

米軍基地の日本人従業員

沖縄全体では9,000人の日本人が米軍基地で働いており、沖縄の若者に人気の就職先だ。

普天間飛行場の日本人従業員は約200人、日本人雇用者の給料総額は年間約11億円となる。大企業が少ない沖縄では、なくなっては困る勤務先となっている。

那覇市や浦添市から普天間飛行場に通勤するなら車で30分程度だが、辺野古に転勤になれば車で1時間30分~2時間かかる。

当然、基地従業員は移設に反対が多い。沖縄全体で9,000人の日本人が米基地で勤務しており、家族を含めると4万票~5万票になると予想される。

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一般の沖縄人の意見

沖縄は山や丘が多く、住民が住める平地はすくない。その貴重な平地に米軍基地が大きく存在することに、不満がある。

沖縄は5月に梅雨が始まり10月ころまで、高温が続く。1週間も家にいないと家中がカビだらけになる。沖縄人の悩みのひとつだ。

しかし、米軍住宅では休暇で1ヶ月帰国するときもエアコンをつけっぱなしにするという。しかもそれは日本の税金から支払われる。こういう米軍住宅の厚遇に不満を持つ人がいる。

日本政府は沖縄の米軍の福利厚生のために数千億円も使うが、一般の沖縄県民には日本政府は冷淡すぎると思える。

 

公共事業中心の沖縄振興策が間違い

沖縄で高速道路を建設しても、一般の沖縄県民はあまりメリットを感じない。例えば、那覇に住んでいても北部の美ら海水族館にはあまり行かない。

結局、高速道路を建設しても使うのは観光客が多い。

モノレールは、交通渋滞解消に劇的効果があったが、沖縄は車社会だし、モノレールの運賃は高く、利用しているのはむしろ観光客の方が多い。

 

観光客が増加しても一般の沖縄人はメリットない

沖縄は高速道路、モノレールなどのインフラ整備ができてLCCなどの新規就航で内外の観光客が増加している。

しかし、観光業者以外の沖縄人にはメリットはない。

逆に、沖縄人が行くことのできない高級ホテル、レストランができても、一般の沖縄人は、複雑な気持ちで見るしかない。

 

沖縄振興3,000億円の使い方が間違い

沖縄振興予算毎年3,000億円あるが、一部の会社経営者などしかメリットがない。

実際、那覇の5,000万円以上のタワーマンションも売れているが、それを買っているのは一部の沖縄の富裕層だけ。しかも、沖縄の不動産価格は上昇している。

一般沖縄県民は最低賃金737円の生活のままで、逆に貧富の差が大きくなった。

 

沖縄振興3,000億円は沖縄県民に直接給付すべき

沖縄県の人口142万人。3,000億円直接給付するなら一人年間21万円になる。

4人家族なら年間84万円、これを直接給付すべき。

名目は児童手当の割り増し、年金の割り増し給付、消費税負担軽減給付などなんでもいい。

日本政府は沖縄県という塊でしか見ていない。沖縄県民一人ひとりの生活まで見て3,000億円の有効な使い道を考えるべきだ。

 

日本政府の沖縄の対する分析力が低い

日本政府は沖縄に3,000億円も新興予算をつければ沖縄県民は普天間移設に賛成するだろうと安易に考えている。

しかし3,000億円の金の流れを予想もしていないし、把握もしていない。

単に公共事業をすれば沖縄県民が潤うだろうという程度の分析しかしていない。

今の沖縄県民はバイトで土木工事をすることは少ない。

公共事業をいくらやっても一般の沖縄県民に3,000億円は届かない。

一部の沖縄の会社経営者しかメリットがない。沖縄は失業率が高く、簡単には時給は上がらない。

沖縄の最低賃金は737円で、求人条件も最低賃金に張り付いたままだ。

 

安部首相や菅長官が話し合うのは沖縄県知事ではなく、一般の沖縄県民だ

上記のように翁長知事は沖縄の有権者の3割しか得票していない。

菅長官、安部首相は沖縄の有権者と直接対話して、沖縄県民が本当に望んでいることを理解すべきだ。

 

沖縄人がゴネているというのは間違い

一部の人は「毎年3,000億円 10年3兆円ももらって沖縄人はゴネている」というが、一般の沖縄人はなんの利益も得ていない。

同じ沖縄に住んでいるのに、「米軍基地の住民は電気、ガス、水道は無料」、「軍用地主は毎年総額900億円」もらっている。

しかし一般の沖縄県民は時給737円の生活。

この格差を日本政府が作ったわけで、一般の沖縄県人がゴネているというのは見当違い。

 

下地幹郎氏の立場

下地氏は沖縄県と言っても沖縄本島ではなく、宮古島出身で元自由民主党所属で保守系の支持者も多いと言われる。しかし、辺野古移設については県民投票で決めるとし態度を明らかにしていない。

沖縄県知事選は当初から翁長氏と仲井眞の一騎打ちと予想され、下地氏が立候補しても勝てる見込みはすくなかった。しかし、下地氏が立候補した結果、保守系の票が分散し、翁長氏が有利になった。

もし下地氏の票が仲井眞氏に流れていたら、翁長氏36万票、仲井眞氏33万票の接戦になっていただろう。

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まとめ

沖縄の有権者約110万人のうち、翁長氏に投票したのは約3割、36万人。そのうち、共産党系の組織票は10万人~20万人程度と予想される。

また、普天間飛行場が移転すると軍用地代が入ってこなくなる軍用地主関係者や職場が遠くなる米軍基地従業員とその家族ら10万人~15万人も翁長氏に投票したと思われる。

結局、基地があることでメリットのある基地関係者は家族も含めると10万人~15万人いる。また、左翼系市民の票が10万~20万票ある。それらを合計すると20万票~35万票になる。

これは有権者の約3割でしかないが、投票率64%なので、基地移設反対派が当選してしまう。

一般の沖縄人は基地問題には、あまり関心がない。というよりは、議論を避ける傾向にある。そもそも、生まれてから基地があるのだから、いまさら迷惑施設とは思っていない。

むしろ、米軍基地のフェスティバルで遊んだときのアメリカ文化へのあこがれや親しみを感じる人が多い。一般の沖縄人は基地のことを親しみを込めてBASE(ベース)と言う。

しかし、一方で米兵の犯罪なども見ているので、沖縄人の基地に対する思いは「賛成、反対」と簡単に言えないものがある。

そういう基地に対する複雑な心境からあえて基地について賛成、反対と主張しない沖縄人が多い。

そういう沖縄人は投票に行かないので、結局、左翼市民と基地関係者の票が相対的に多くなってしまう。



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