国際情勢・防衛

軍事オプションはありえるか?限定空爆と全面戦争

2017/12/18

一部ではアメリカが2017年9月にも軍事オプションをとるという意見がある。

ここで言う軍事オプションには「限定空爆」と「全面戦争」という2つがあるが、その可能性はありえるのか?

結論から言うと、9月にアメリカが軍事オプションをとる可能性はほとんどない。

 

国連安全保障理事会

2017年9月4日、国連安全保障理事会は緊急会合を開き、アメリカのヘイリー国連大使は北朝鮮に対して「外交的手段は尽きつつある」とし、軍事的オプションをにおわせた。

しかし、これはアメリカの本音ではない。アメリカは北朝鮮への経済制裁を強化することだ。

具体的には、石油禁輸、北朝鮮の出稼ぎ労働者の禁止や制限だ。

これらは中国やロシアの経済にも影響があるので、中国やロシアが国連安全保障理事会で否決される可能性がある。

そのため、アメリカは軍事的オプションをとるかのように振舞って、中国、ロシアが軍事的オプションよりも北朝鮮への経済制裁に賛成するようにしているだけだ。

 

限定空爆

アメリカは2017年4月にトマホーク59発をシリアに発射した。これが限定空爆の例で陸上部隊は派遣せず、艦船や航空機からミサイルなどを発射することに限定する攻撃のことだ。

もし、アメリカが限定空爆を実施すれば、北朝鮮がソウルにロケット砲攻撃、あるいは核ミサイルを韓国、日本に発射する可能性がある。

北朝鮮の反撃があれば、韓国、日本で数十万人、数百万人の犠牲者がでる可能性がある。

したがって、アメリカ軍が限定空爆をする可能性は1%以下だ。

 

全面戦争

限定空爆では、北朝鮮は残存兵器で韓国、日本を攻撃する可能性があるため、北朝鮮の反撃を封じるには、全面戦争しかない。

巡航ミサイル2,000発以上、ステルス戦闘機F-22、F-35を投入し、B-1B爆撃機から地中貫通弾(バンカーバスター)を投下し金正恩党委員長が隠れている地下室を攻撃する。

アメリカが全面戦争をする可能性は、限定空爆よりは大きい。しかし、北朝鮮の反撃を100%封じることは不可能なので、全面戦争の可能性は低く、10%未満と思われる。

 

全面戦争の準備

もし、アメリカが北朝鮮と全面戦争するのであれば、歴史上初の核戦争に発展する可能性がある。そのため、アメリカ軍は周到に戦争準備しなければならず、6ケ月は必要だ。

現時点では、アメリカ軍は全面戦争の準備ができていないので、2017年9月の開戦の可能性は極めて低い。

ハリケーンの影響

アメリカの戦争権限法によれば、アメリカ大統領が戦争をする場合、戦争開始後48時間以内に議会に報告、60日以内に議会の承認が必要になる。

したがって、アメリカが全面戦争をするには、国民の支持がないと議会の承認を得ることができず、事実上できないと考えられている。

2017年8月末~9月初にアメリカ南部のテキサス州を襲ったハリケーン「ハービー」の被害額は5兆円~20兆円となる見通しで、アメリカ国民の関心度は北朝鮮よりもハリケーンの方が高い。

そういう点でも2017年9月のアメリカ軍による軍事オプションの可能性は低い。



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