2017年8月8日、アメリカのワシントンポスト紙は、北朝鮮が最大60発の核爆弾を保有していると推定されると報道した。
米当局は7月時点で、北朝鮮が保有する核爆弾を最大60発と推定しているという。
引用 https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080900083&g=prk
一方で13発~30発という情報もある。どちらが正しのか?
北朝鮮が核兵器を13~30個保有している可能性がある
引用 http://www.sankei.com/world/news/170429/wor1704290061-n1.html
核爆弾を製造するには、プルトニウムと濃縮ウランが必要になる。
プルトニウムは原子炉で作る。各国の情報機関は北朝鮮の原子炉を衛星で監視して、その稼働時間を記録している。
北朝鮮の原子炉を1時間稼働させると何グラムのプルトニウムを製造できるかは分かっているので、稼働時間が分かれば、北朝鮮のプルトニウム保有量はかなり正確にわかる。
米シンクタンク、科学国際安全保障研究所(ISIS)は4月に公表した報告で、北朝鮮は分離プルトニウム33キロを保有していると指摘。
引用 https://www.jiji.com/jc/article?k=2017071500171&g=prk
長崎型プルトニウム原爆では6kgのプルトニウムが使用された。しかし、最新技術ならプルトニウム1.5kg~2.0kgで1発の核爆弾を製造することができる。
したがって、北朝鮮が保有するプルトニウム型原爆は最大で20発程度となる。
核爆弾の重量
核爆弾をなぜ小型化するかというと、北朝鮮からアメリカ本土まで到達するICBM(大陸間弾道弾)の場合、核弾頭が重いと1万km以上もの飛距離を出せないからだ。
射程1万km以上のICBMに搭載できる核弾頭の重さは250kgと言われる。
北朝鮮が保有する射程1,300kmの中距離弾道弾は射程が短いのでより重い核弾頭を搭載できる。その重さは800kg~1,000kgと言われる。
北朝鮮が2006年に1回目の核実験を行った際は、核爆弾の小型化はできてなかったと思われる。
北朝鮮が核爆弾の小型化に成功したのは2015年以降と思われる。
したがって、北朝鮮は2006年以降、1,000kgの核爆弾を製造し、2015年以降に250kgの核爆弾を製造したと思われる。
また、北朝鮮の核開発の最終目標が核爆弾を250kgまで小型化することだったので、小型化技術が完成していない段階では保有するプルトミウムのすべてを使って1,000kgの核爆弾を製造することはなかったはずだ。
したがって、北朝鮮の保有する核爆弾は現時点では20発程度と考えるのが妥当だろう。
しかし、今後は250kgまで小型化された核爆弾を年間3発~5発程度の量産をする可能性がある。
2020年頃には北朝鮮は40発程度の核爆弾を保有する可能性がある。
各国の核爆弾保有数(推定)
国名 | 核爆弾数 |
アメリカ | 4,760発 |
ロシア | 4,300発 |
中国 | 250発 |
パキスタン | 120発 |
インド | 100発 |
イスラエル | 80発 |
北朝鮮 | 20発(推定) |