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国際情勢・防衛

SM3ミサイル、高度70km以下では迎撃できない

2017/12/11

北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃するSM3ミサイルは、高度70km以下では迎撃できない。

SM3には現行の「ブロック1A」と改良型の「ブロック2A」があるが、両方とも高度70km以下では迎撃できない。
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SM-3ブロック1A SM-3ブロック2A
射程 500km~1,200km 2,000km
高度 70km~600km 70km~1,000km
直径 34cm 53cm
全長 6m55cm 6m55cm
重さ 1,500kg 1,500kg
キネティック弾頭 23kg、 1波長赤外線シーカ 2波長赤外線シーカ
配備 2008年配備 2020年~2021年
値段 1発16億円 1発20億円~30億円

 

弾道ミサイルの軌道

弾道ミサイルの軌道は大きく分けて3種類がある。

  • 最小エネルギー軌道(最大射程軌道)
  • ロフテッド軌道(山なり)
  • ディプレスト軌道(低空軌道)
軌道 高度
最小エネルギー軌道 最大射程軌道 高度500km~1,000km
ロフテッド軌道 山なり 高度2,000km以上
ディプレスト軌道 低空軌道 高度35km~50km

このうち、SM3ミサイルで迎撃できるのは、「最小エネルギー軌道」のみとなる。

高度2,000km以上のロフテッド軌道のミサイルは、SM3ブロック1Aでは迎撃不可能だが、SM3ブロック2Aならば、1,000km以下まで落下した地点で迎撃できる可能性がある。

ただ、迎撃ミサイルは、弾道ミサイルが頂点付近に達し速度が一番遅くなる「ミッドコース」で迎撃するのが基本で命中率も高いが、それ以外は命中率が悪い。

ロフテッド軌道の弾道ミサイルを迎撃するのはかなり困難となる。

また、高度35km~50kmのディプレスト軌道の弾道ミサイルはSM3では迎撃できない。

PAC-3の最大迎撃高度は15km~20kmだし、弾道ミサイルの速度はターミナルフェース(着弾直前)でマッハ5~10となるので、PAC-3でも迎撃できない。

結局、SM3の命中率は80%~90%と言われるが、それは、最小エネルギー軌道の場合だけだ。

北朝鮮がディプレスト軌道やロフテッド軌道で弾道ミサイルを発射すれば、SM3やPAC-3では、ほとんど迎撃できない。

 

THAADミサイル

THAADミサイルの迎撃高度は「40km~150km」なのでディプレスト軌道でも迎撃できる。

 

改良型PAC-3MSE

現行のPAC-3ミサイルの最大高度は15km~20kmだが、改良型PAC-3MSEは2倍の 「30km~40km」となる。

すでに平成29年度予算でPAC-3の改修費と改良型PAC-3MSEの取得費用1,056億円が計上されている。

 

まとめ

SM3ブロック2Aミサイルを配備すれば、北朝鮮の弾道ミサイルをある程度迎撃できると思っていたが、高度70km以下は迎撃できない。

PAC-3MSEは射程も延長されるがそれでも40km程度なので、日本全国をカバーするには配備数が足りない。

THAADを導入するか、SM3ミサイルやPAC-3MSEをさらに改良する必要がありそうだ。



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