国際情勢・防衛

3,900トン級新型護衛艦構想、30DX(30DEX)で尖閣を防衛

2018/03/13

出典 防衛省

2017年12月18日、小野寺防衛大臣は2018年度(平成30年)予算に3,900トン級新型護衛艦(コンパクト艦)2隻の建造費1,055億円(1隻約528億円)を計上すると発言した。

2017年2月17日、防衛省は島嶼防衛のための新型護衛艦(コンパクト艦)を2018年度(平成30年)から4年間で8隻建造する方針を固めたとされる。

2017年8月9日、防衛装備庁は、新型小型護衛艦の主事業者に三菱重工、下請けに三井造船を選定した。

1隻当たりの建造費は約500億円で、5,000トン級護衛艦の700億円よりも低コストとなる。

30DX護衛艦(3,900トン級護衛艦)は平成30年度(2018年)から予算化し、今後4年間で8隻を建造し、最終的には22隻を建造する可能性がある。
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小型護衛艦の統合

コンパクト護衛艦は、

  • 基準排水量2,000トンの「あぶくま型護衛艦」6隻
  • 基準排水量3,000トン「はつゆき型」5隻(練習艦3隻を含む)
  • 「やえやま型」大型掃海艦3隻

を統合し、機雷掃海能力をも持つ多機能護衛艦として更新する可能性がある。

 

新型護衛艦(コンパクト艦)の仕様

30DX あぶくま型護衛艦
基準排水量 3,900トン 2,000トン
満載排水量 2,500トン
全長 130m 109m
全幅 16m 13.4m
速力 30ノット(時速55km) 27ノット(時速50km)
乗員 100人 120人
航続距離 約10,400km
ステスル性 有り 無し

この3,900トン級30DX護衛艦は、あぶくま型(基準排水量2,000トン)のみならず、あさぎり型(基準排水量3,500トン)、はつゆき型(基準排水量3,000トン)、ミサイル艇、掃海艦をも代替する多機能護衛艦で、場合によっては2,000トン級~3,000トンまで数種類を建造する可能性がある。

 

30DX建造の背景

この3,900トン級護衛艦30DX建造は、アメリカの戦術の変化が影響している。

冷戦時代、アメリカは、原子力空母を攻撃力の中心とし、その空母を防衛するイージス艦などからなる空母打撃群を主力部隊としていた。これは、米ソの大規模な戦闘を想定したものだった。

しかし、現在では、超大国の空母機動部隊同士の大規模な軍事衝突の可能性は低くなった。もちろん、将来的には米中の大規模な軍事衝突の可能性はあるのだが、中国が空母を実戦運用するの少なくとも10年以上先の話だ。

現時点では、むしろ、クリミア紛争のような小規模な地域紛争、領土争いの可能性の方が高い。

日本周辺海域では中国による尖閣列島侵攻が懸念される。尖閣列島のような島嶼(とうしょ)防衛には3,900トン級の小型護衛艦が適している。

というのは、島嶼海域は浅く入り組んだ海域のため大型の護衛艦では自由に航行できないからだ。

また7,000トン級のイージス艦は6隻しかなく、多くの島嶼を防衛するには数が少なすぎる。

イージス艦の主要任務は弾道ミサイル防衛で、島嶼(とうしょ)防衛のために、沖縄の先島諸島に常時イージス艦を配備するのは非効率だ。

つまり30DX護衛艦の目的は、「中国軍の日本領海、島嶼部への接近阻止」と「中国軍が上陸した場合の島嶼奪還」で、オスプレイV-22や水陸両用車AAV7ととも尖閣防衛の任務につくと思われる。

 

データリンクによる戦闘形態の変化

米国では、個艦同士のデータリンクが高度化したことにより、攻撃力を空母のみに頼るのではなく、個艦が独自に攻撃力を持つ「武器分散システム」が有力となってきた。

日本の自衛隊もアメリカの戦術変化の影響を受け、イージズ艦(7,000トン)、あさひ型護衛艦(5,000トン)と武器分散システム体系に沿って護衛艦の構成を変化させてきた。

その完成形が3,900トン級新型護衛艦30DX構想と言える。

つまり、大型護衛艦に弾道ミサイル迎撃、対空ミサイル、対潜水艦アスロックなどすべてを詰め込むのではなく、小型護衛艦に分散して搭載し、ネットワークで情報共有して2隻~3隻があたかも1隻のように連動して戦うシステムになる。

 

自衛隊の島嶼(とうしょ)防衛の考え方

自衛隊は尖閣列島に部隊を配備していない以上、初戦で中国軍が尖閣に上陸することはやむ負えないと考えている。

自衛隊は、中国軍に尖閣に上陸させた後、中国軍を攻撃、尖閣列島を奪還する作戦を立案している。

当然、そのまま、自衛隊が尖閣に常駐し、軍事基地化することを構想している可能性がある。

 

水陸両用上陸作戦総合訓練「ドーン・ブリッツ」

2013年にはアメリカで実施されてた水陸両用上陸作戦総合訓練「ドーン・ブリッツ」に自衛隊も参加している。また、2015年にも自衛隊はこの「ドーン・ブリッツ」に2回目の参加をした。

演習に参加した自衛隊装備品

陸上自衛隊 Ch-47JA AH-64D

海上自衛隊 護衛艦ひゅうが(DDH-181)、護衛艦あしがら(DDG-178)、輸送艦くにさき(LST-4003)、艦載ヘリSH-60

この訓練は、中国軍が尖閣列島に上陸した後、尖閣列島を奪還する訓練と思われる。

 

大型護衛艦の更新

現在の海上自衛隊の主力護衛艦は、イージズ艦(7,000トン)、あきづき型護衛艦(5,000トン)、あさひ型護衛艦(5,000トン)で、これらの護衛艦は最新型への更新がほぼ決定している。

 

関連リンク

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