6人の次期首相候補
2017年3月5日、自民党は党大会で総裁任期を現行の「連続2期6年」から「連続3期9年」に延長する党則改正を正式に決定した。
これにより、安倍首相の任期は最長で2021年9月までとなった。次期首相候補選びはやや沈静化した感がある。
2018年時点での次期首相候補は
・岸田政調会長
・石破元幹事長
・河野外務大臣
・野田聖子総務相
・小泉進次郎筆頭副幹事長
・橋下前大阪市長
の6人だ。
自民党総裁の任期は3期9年に延長
内閣総理大臣の任期の制限はないが、自民党の総裁の任期は2期6年から3期9年に延長された。これにより安倍首相の自民党総裁任期は最長2021年9月となる。
安倍政権は長期政権となった理由
安部政権を支えているのは、麻生財務大臣、菅官房長官、甘利氏の3人だ。彼らの特徴は首相就任の野心がないことだ。
それにより、安倍政権は閣内の権力闘争に無駄な力を使うことなく、全力で、国政、外交に当たることができる。これが安倍政権が長期政権となっている理由のひとつだ。
岸田政調会長
2016年の伊勢志摩サミットを安倍首相とともに成功させ、オバマ大統領の広島訪問という外交成果を上げ、次期首相候補としては最有力だ。
石破元幹事長
次期首相候補の中で唯一、安倍首相と距離を置く政治家だ。旧田中派の流れを組む政治家で首相になる野心がはっきりしている。
しかし、田中角栄氏ほどの人望もなく、安倍首相を支えて後継者になるという考えもない。むしろ、反安倍の勢力を集結し、次期首相の座を狙っている。
安倍首相は適材適所に大臣を就任させており、留任が多い。従来の派閥力学であれば衆議院議員当選5回で順番に大臣になっていたが安倍政権ではそうなっていない。
しかがって当選5回以上の議員の中には安倍首相に反対する立場の人間が増加してくる可能性もある。
だが、石破氏の人望は薄く衆議院議員20人くらいの小派閥しかまとめきれていない。
河野外務大臣
外務大臣として着実に実績を上げている。ただ、脇が甘いので、首相になる可能性は低い。
野田聖子総務相
女性初の首相というアピールができるが、可能性は低い。
小泉進次郎筆頭副幹事長
現在のところ、本人も首相になる気持ちはないが、政局によっては「推されて」首相になる可能性もある。
橋下前大阪市長
国民の人気が高く、他の次期首相候補の知名度がやや低いことから、「日本維新の会」から再び政治家に復帰した場合、持ち前の突破力を生かして一気に首相に就任する可能性は十分にある。
しかし、政策や外交に安定感がないので、本命候補とは言い難い。
まとめ
順調にいけば、岸田政調会長が2018年~2020年にかけて首相に就任する可能性が強い。
石破元幹事長は、党内の人望が薄く多数派工作に失敗する可能性が高い。
小池百合子都知事、稲田前防衛大臣も有力候補だったが、国民の人気が完全になくなり、事実上首相の可能性はない。
橋下氏は日本維新の会に復帰すれば首相就任の可能性はあるが、やや不確実な面がある。
小泉進次郎筆頭副幹事長は10年のスパンであれば、首相の可能性は十分になるが、2018年~2020年では可能性は少ない。