任天堂株価の現状分析
任天堂は2016年12月15日にアップストア(App Store)からiPhone向けにスマホゲーム「スーパーマリオラン」(SUPER MARIO RUN)を配信する。
この情報が市場に流れた2016年9月8日には任天堂の株価は急騰2万9200円を付けた。
しかし、その後は任天堂の決算に注目が集まり、売りが優勢となり、株価は2万4000円~2万5000円で推移している。今後、任天堂の株価はどうなるのか?
スーパーマリオランの売上予想は240億円~600億円
「スーパーマリオラン」は全世界に配信される。国内のスマホゲームメーカーは、主として日本のスマホ人口1億人をマーケットとしている。しかし、任天堂のスマホゲームは世界のスマホ人口20億人をマーケットとしてる。そこが決定的に違うところだ。
2016年現在の世界のスマホ人口は20億人と推定される。このうち10%の2億人が「スーパーマリオラン」をダウンロードするとして、課金ユーザーはその10%、2,000万人と予想する。
ダウンロードと一部プレイは無料で、すべてをプレイするには1,200円を支払う追加課金制だ。
「スーパーマリオラン」の利益配分予想
会社 | 利益配分予想 |
任天堂 | 60% |
DeNA | 10% |
アップル | 30% |
「スーパーマリオラン」はDeNAとの共同開発となるので任天堂の利益率を60%とする。
・任天堂の売上利益予想(メインシナリオ)
売上(増加分)
2,000万人(課金ユーザー)× 1,200円(課金額)=240億円
利益(増加分)
240億円 × 60%=144億円
マリオラン分を加算 | 会社予想 | |
売上 | 4,940億円 | 4,700億円 |
営業利益 | 444億円 | 300億円 |
経常利益 | 244億円 | 100億円 |
当期純利益 | 644億円 | 500億円 |
1株当たり純利益 | 536円 | 416円22銭 |
1株当たり利益を536円としてPER、株価を計算する
PER | 株価 |
20倍 | 10,720円 |
30倍 | 16,080円 |
40倍 | 21,440円 |
50倍 | 26,800円 |
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・任天堂の売上利益予想(中国市場で配信の場合)
「スーパーマリオラン」は、GPS、地図データを使わないので中国でも配信される可能性がある。
日本人にとってはスーパーマリオは20年前の懐かしいゲームだ。しかし、今の中国の人にとっては、日本人が初めてファミコンを出会ったように、スマホゲームの「スーパーマリオラン」に出会う。
したがって、20年前、日本で大ブームになったように13億人の中国でもう一度、大ブームを巻き起こす可能性がある。
中国での配信が始まれば、最大ダウンロード5億人、課金ユーザー5,000万人もありる。
売上(増加分)
5,000万人(課金ユーザー)× 1,200円(課金額)=600億円
利益(増加分)
600億円 × 60%=360億円
マリオラン分を加算 | 会社予想 | |
売上 | 5,060億円 | 4,700億円 |
営業利益 | 660億円 | 300億円 |
経常利益 | 460億円 | 100億円 |
当期純利益 | 860億円 | 500億円 |
1株当たり純利益 | 716円 | 416円22銭 |
1株当たり利益を716円としてPER、株価を計算する
PER | 株価 |
20倍 | 14,320円 |
30倍 | 21,480円 |
40倍 | 28,640円 |
50倍 | 35,800円 |
スマホゲーム1本で年間売上5,000億円もある
ポケモンGOの売上は推定4,000億円(年間)
任天堂が発表した2016年10月に発表した平成29年度中間決算では、投資利益120億円が計上された。このうちポケモンGOの収益は105億円と予想される。
ポケモンGOが世界中で大ヒットしているにもかかわらず任天堂の収益はすくない。それは、ポケモンGOは「(株)ポケモン」と「NIANIC」が開発販売したもので、任天堂は(株)ポケモンの出資比率32%分が配当されるだけだからだ。
2016年7月~2016年9月までに105億円の利益が配分されたことになる。
当ブログ試算では、ポケモンGOの2016年7月~9月の世界売上は1,000億円。配信元のアップルが150億円、グーグル150億円、残り700億円のうち、NIANICが400億円、(株)ポケモンが300億円と推定される。任天堂に105億円は(株)ポケモンの300億円の中から配当されたと考えられる。
ポケモンGOの2016年7月~9月の世界売上は1,000億円なので、ポケモンGOの年間売上は4,000億円と予想される。
もし、ポケモンGOを任天堂が開発販売していたら?
任天堂がポケモンGOを開発販売していたら、任天堂の年間売上は4,000億円増加し、現状の年間5,000億円から9,000億円になっていただろう。
スーパーマリオランは、月額課金ではなく、通常のゲームソフトのように「買い切り」タイプのため、任天堂の収益は数百億円に止まる。しかし、今後、1ゲームタイトルで年間売上5,000億円のスマホゲームが誕生する可能性は十分にある。
まとめ
2016年12月15日配信予定の「スーパーマリオラン」の売上は240億円~600億円と予想される。売上240億円の場合、株価は20,000円~24,000円程度、売上600億円の場合の株価は26,000円~30,000円となる可能性がある。
今後もスーパーマリオランなどの材料で任天堂の株価は上下に動く可能性がある。
当記事は読者への情報提供のみを目的とし、読者にいなかる投資行動をも推奨するものではありません。投資は自己責任で行って下さい。