ドル円140円の根拠
この記事は2017/1/23/AM7に自動投稿したが、
2017/1/23/15:15に「FT」トランプ氏の刺激策はドル高を招く という記事が上がっていた。
トランプ大統領は「アメリカ第一主義」を掲げ、アメリカの労働者のために工場をアメリカ国内に作る政策を推し進めている。
したがって、アメリカの製造業のために、ドル高をけん制すると見られている。はたして、そうなのか?考えてみた。
まず、結論の前に、為替と輸入企業・輸出企業への影響に考えてみる。
日本の場合
円高になれば、輸入企業が安く輸入できるメリットがある。逆に、円安になれば、輸出企業は受け取る輸出代金が多くなって有利になる。
日本全体では輸出企業が多いので、トータルで考えれば、円安の方がメリットある。
アメリカの場合
ドル高になれば、輸入企業が安く輸入できるメリットがある。一方、ドル安になれば、輸出企業は受け取る輸出代金が多くなって有利になる。
アメリカは貿易赤字であり、輸入の方が多い。つまり、ドル高の方がアメリカ全体としては、メリットが大きい。
アメリカの貿易赤字は問題にはならない
日本の場合、貿易赤字になれば経済力が弱体化する。例えば、輸出が2万ドルで輸入が3万ドルなら、差引1万ドルの貿易赤字で、その1万ドル分だけ日本の外貨準備高が減少する。最終的に日本は外貨が不足し、外国から輸入することができないようになる。
しかし、アメリカは全く違う。アメリカは日本から10万ドルの高級車を輸入しても、支払うのはアメリカドルである。つまり、アメリカは「ドルと印刷した紙」で10万ドルの高級車を日本から買えるのだ。
例えば、アメリカが1兆ドルの貿易赤字になっても、1兆ドル分の「ドルと印刷した紙」で支払えばいいのだ。
実際には、アメリカドルを印刷しすぎるとアメリカ国内ではインフレが起こる可能性がある。しかし、基本的には、アメリカの場合、貿易赤字でも経済成長できる経済構造になっている。
アメリカ企業は輸入で儲けている
アメリカが貿易赤字になっていると言っても、実際はアメリカ企業が中国で生産して、アメリカで販売して、利益はアメリカ企業のものになっている。
例えば、iPhone7は、中国でフォクスコンという会社が組み立てして、アメリカに輸入している。
iPhone7の製造コストは200ドル~300ドル(2万円~3万円)で、アメリカ国内で650ドル~900ドル(7万円~10万円)で販売している。
アップル社は1台当たり約5万円の利益を得ている。一方、中国で製造するフォクスコンの利益は1台当たり4ドル~5ドルでしかない。
つまり、アメリカ企業は中国で安く生産し、アメリカに輸入し、アメリカ国内で高く販売しているのである。中国からの輸入が増加しても、アメリカ企業は困らない。むしろ、壮大な利益を上げることができるのだ。
ビジネス的に考えるとドル高しかない
日本一の富豪はユニクロを運営するファーストリティリングの社長だ。中国で安く生産し、日本に輸入するだけで巨万の利益を上げることができる。
アメリカも同じで、中国で安く生産し、アメリカに輸入するだけで、アメリカ企業は大きな利益を上げてきた。
トランプ大統領は、名門ペンシルバニア大学ウォートン校を卒業している超エリートだ。ドル高がアメリカ全体の利益になることはわかるはずだ。
ドル高懸念は、選挙目当てに、アメリカの工場労働者向けに選挙演説をしたことの連想でしかない。
15%~20%のドル高を予想
現在、ドル円相場は115円近辺だが、ここから15%~20%のドル高を予想している。15%のドル高で132円、20%のドル高で138円となる。
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