中国海警船の領海侵入は国連海洋法条約違反で、国連海洋法条約の無害通航権はない。
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無害通航権とは?
無害通航権とは国連海洋法条約17条で規定されたもので、「すべての国の船舶は、沿岸国であるか内陸国であるかを問わず、この条約に従うことを条件として、領海において無害通航権を有する。」とされる。
この無害通航権とは何かについては国連海洋法条約19条に規定されている。
具体的には「無害通航ではない場合」を例示しており、これらの行為をする場合は無害通航権はない。
国連海洋法条約19条
19条2 A | 武力による威嚇又は武力の行使であって、沿岸国の主権、領土保全若しくは政治的独立に対するもの |
19条2 C | 沿岸国の防衛又は安全を害することとなるような情報の収集を目的とする行為 |
19条2 D | 沿岸国の防衛又は安全に影響を与えることを目的とする宣伝行為 |
中国の主張は国連海洋法条約違反
2016年6月15日 中国軍艦が口永良部島の領海に侵入した。この軍艦は中国海軍所属の短距離ミサイル監視用レーダー搭載艦で「東調級(DONGDIAO ドンディアオ)」と見られる。
国連海洋法条約19条2 Cには「沿岸国の防衛又は安全を害することとなるような情報の収集を目的とする行為」は無害通航権はないとしている。
レーダーによる情報収集活動をする中国軍艦に無害通航権がないのは明らか。
自己矛盾に陥る中国
中国海警船が尖閣列島の領海侵入し、「ここは中国領」と宣言した場合、19条2 AおよびDに違反する。
また、中国が無害通航権を主張すれば、中国が「尖閣は日本の領土」と認めたことになる。