防衛省は、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替措置として、SPY-7レーダーを搭載する1万2000トンの「イージスシステム搭載艦」2隻を建造する。
2027年度に1番艦(仮・長門)、2028年度に2番艦(仮・陸奥)が就役する予定。
既存のイージス艦8隻は水上作戦の中枢艦をして運用し、1万2000トンの「イージスシステム搭載艦」2隻はBMD任務(弾道ミサイル迎撃)を担当する。

艦種 | 1万2000トン「イージス艦」 | まや型 |
---|---|---|
全長 | 190m | 170m |
全幅 | 25m | 21m |
基準排水量 | 1万2000トン | 8,200トン |
満載排水量 | 1万5000トン | 10,250トン |
乗員 | 240名 | 300名 |
速力 | 約30ノット(約55.6km/h) | 約30ノット(約55.6km/h) |
機関 | ロールス・ロイス製の船舶用ガスタービンエンジン「MT30」 | COGLAG(2軸) |
レーダー | SPY-7レーダー(SPY-1レーダーの5倍の追尾能力) | SPY-1D(V) |
VLS(垂直発射装置) | 128基 | 96基 |
兵装 |
2032年以降に搭載
|
|
就役 |
|
|
建造数 | 2隻 | 2隻 |
配備予定 |
|
|
建造費 | 4,900億円(2隻分の建造費と関連経費を含む) | |
総事業費 | 9,000億円(2隻分の建造費と関連経費+イージス・システム) |
型式 | 基準排水量(トン) | 隻数 | 状況 |
---|---|---|---|
こんごう型 | 7,250 | 4隻 | 現役(こんごう・きりしま・みょうこう・ ちょうかい) |
あたご型 | 7,750 | 2隻 | 現役(あたご・あしがら) |
まや型 | 8,200 | 2隻 | 現役(まや・はぐろ) |
新型(名称未定) | 12,000 | 2隻 | 建造予定 |
合計 | — | 10隻 | (現役8隻+将来2隻) |
「新型イージス艦」は、イージス・アショア代替艦として建造される2隻の大型イージス艦(1万2000トン級)を指します。
こんごう型は就役から30年近くが経過しており、今後更新・退役が検討される可能性があります。
将来的には、10隻体制を維持しつつ、能力強化・多機能化が進むと見られます。
以前の計画では、基準排水量2万トン、全長210m、全幅40mだったが、小型化する。
当初はミサイル防衛(MD)に特化したイージス艦で、大型艦とすることで波による揺れを軽減し、ミサイル迎撃の正確性を高めるため計画だった。
しかし、一般的に艦船は3隻~4隻ないと常時配備できず、2隻では、稼働していない空白の期間が生じる可能性がある。
また、移動速度も遅く、他のイージス艦(8隻)などの護衛艦と連携や共同運用がしにくいという懸念がでてきた。
そのような不都合があり、より小型化して、通常のイージス艦並みの速度がでるように再検討した。
防衛省、配備を断念した陸上配備型の新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策としてイージス・システム搭載艦2隻を建造する方針で、2024年度に建造を開始し、2027年度と2028年度に就役する予定。
新型「イージス艦」の規模は、全長210m、全幅40m、基準排水量2万トンで、海上自衛隊で最大の護衛艦「いずも」の1万9950トン規模と並び、最大級の艦船となる見通しで、建造費は1隻あたり2,400億円~2,500億円と予想される。
但し、省力化により、乗員は110人になる予定。
陸上配備型「イージス・アショア」で使用する予定だった米ロッキード・マーティン社製の大型レーダー「SPY7」を搭載するため、船体が巨大になった。
弾道ミサイル迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」、巡航ミサイルを迎撃するSM6を搭載。
さらに、12式地対艦誘導弾(ミサイル)を長射程化し、艦船発射型に改良した「新型12式艦対地誘導弾」や超音速ミサイルも搭載する計画がある。
2万トン級「イージス艦」主要諸元
基準排水量 | 20,000t |
主要寸法 | 全長210m、全幅40m |
イージスシステム | SPY7 |
主要兵装 | 弾道ミサイル迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」
巡航ミサイルを迎撃する「SM6」 新型12式艦対地誘導弾(射程1000km) 超音速ミサイル(計画) |
乗員 | 110名 |
建造費 | 2,400億円~2,500億円(1隻あたり) |
建造隻数 | 2隻 |
建造開始予定 | 2024年度 |
就役予定 | 2027年度1隻
2028年度1隻 |