国際情勢・防衛

尖閣 新型地対艦ミサイル開発、2023年にも宮古島配備か?

2018/01/16

12式地対艦誘導弾

2016年8月14日付、読売新聞は

政府は、尖閣諸島防衛のため射程300kmの新型ミサイルを開発し2023年頃の配備を目指す」と報道した。
スポンサーリンク


新型ミサイル(地対艦誘導弾)の性能

新型ミサイルの射程は300kmと予想される。石垣島、宮古島から尖閣列島までの距離は約170km~約180kmなので、尖閣列島の北方約120km~約130kmまでが射程に入る。

新型ミサイルはGPS誘導で敵艦船まで接近し、最終誘導は自らレーダーを発射して敵艦を探知するアクティブ・レーダー・ホーミング式となる。

GPS誘導とアクティブ・レーダー・ホーミング式誘導はすでに12式地対艦誘導弾に採用されており、誘導装置については技術的な問題はない。

ただ、88式地対艦誘導弾、12式地対艦誘導弾の速度は時速1,200kmで、もし、新型も同じならば、300km先に到達するのに15分かかる。

軍艦の最大速度は時速50km程度なので15分で約12km移動できる。

このため、新型ミサイルは速度をどこまで引き上げるかが開発のポイントとなっている。

新型ミサイルはすべて固体燃料ロケット推進で、時速1,800km~2,400kmを目指すものと予想される。

液体燃料を使用するミサイルの場合、燃料を注入したままにしておくと腐食する。そのため発射直前に燃料注入しないといけないので即応性に劣る。

一方、固体燃料ロケットは推進力の調整がしにくいので、誘導装置を高度化しないと命中率が悪化する。

したがって、今回の新型ミサイルの開発に当たっては、固体燃料ロケットの射程延長、小型化と誘導性能の向上が課題になる。

固体燃料ロケットについては技術的課題は少ないが、誘導装置の高度化については開発に時間がかかると思われる。

単に射程を300kmに延長するだけなら、液体燃料の搭載量を多くして、その分ミサイルの全長を延長すればいいだけなので、2023年までの開発期間は必要ない。
スポンサーリンク



現在の地対艦ミサイル

陸上自衛隊の地対艦ミサイルは「12式地対艦誘導弾」(射程200km)と「88式地対艦誘導弾」(射程150km)で、共にトラック(発射車両)に搭載でき、有事の際は移動できる。

「88式地対艦誘導弾」は沖縄方面を管轄とする西部方面隊第5地対艦ミサイル連隊(熊本)に配備されている。

「12式地対艦誘導弾」16車両(ミサイル96本)も2016年度から西部方面隊(熊本)配備予定である。

有事の際は沖縄県の離島にミサイル発射車両を運搬して防衛する方針だ。

 

現在の尖閣周辺の状況

尖閣列島から石垣島は170km、宮古島までは180kmの距離がある。尖閣列島から中国大陸までの距離は約330kmで、尖閣列島の北方約100km~150kmに中国海軍の艦船が常時待機している。

自衛隊の護衛艦と潜水艦は尖閣列島の南側約50km~100kmに展開している。

つまり尖閣列島を挟ん自衛隊護衛艦潜水艦中国軍艦が常に対峙しているのだ。中国軍艦艇が待機している海域は水深150m~200mと浅く、潜水艦が深く潜航できないため発見されやすい。

海上自衛隊の「そうりゅう型潜水艦」は水深700m~900mまで潜航できるが、水深150m~200mの海域では発見される可能性があり、中国軍艦に接近できない。

また、「12式地対艦誘導弾」の射程は最大200kmなので、石垣島、宮古島から尖閣の領海(島から約22km)を防衛できるが、現在、中国軍艦が待機してる海域には到達できない。

 

中国の対応

中国はロシアから射程400kmの地対空ミサイル「S-400」を輸入する契約を2015年上半期に締結し、2017年から中国に配備予定だ。

S-400の価格は1セット5億ドル(約600億円)で、中国は合計6セット30億ドル(3,300億円)分を購入し配備すると予想される。

中国大陸から尖閣列島までは約330kmなので、射程400kmのミサイルなら、尖閣列島から南側70kmの空域まで中国のミサイル射程圏となる。



-国際情勢・防衛

error: Content is protected !!