日本政府は、朝鮮半島有事で韓国の空港が閉鎖された場合、在韓邦人・米国人らを釜山港から海上自衛隊艦船と米軍艦が協力して対馬(長崎県)に運び、一時退避させた後、九州に順次ピストン輸送する方向で検討に入った。
引用 読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180115-OYT1T50129.html
日本政府は朝鮮半島有事の際の日本人保護退避計画(非戦闘員退避作戦NEO)を立案しているが、韓国政府との交渉が全く進んでいない。
韓国政府が歴史問題を理由に自衛隊輸送機機、護衛艦の韓国派遣を認めていないからだ。
そのため、日本政府は韓国政府に頼らず、米軍と日本人退避計画を考えている。
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韓国内にいる日本人の人数
- 仕事や留学のため韓国に滞在する日本人 3万8000人
- 観光目的の短期滞在者 1万9000人
- 合計 5万7000人
ソウルから民間機で日本に帰国
民間航空機が飛行できる場合にはインチョン国際空港、金浦空港から民間機で日本に帰国される。しかし、民間機が飛行できない可能性が高い。
有志連合による救出か?
現在、韓国には非戦闘民間米国人が20万人いるとされ、日本人は米国人といっしょに米軍に救助され韓国を脱出する可能性が高い。
釜山から福岡/対馬にピストン輸送か?
北朝鮮との軍事境界線から離れた朝鮮半島南部の「釜山」から「福岡」に脱出するルートが有力だ。
民間の高速船などの船舶で「釜山~対馬」(50km)をピストン輸送し、対馬からは自衛隊のヘリコプターで日本本土に輸送する計画もある。
護衛艦を韓国領海外に派遣か?
日本が保有するヘリコプター搭載護衛艦いずも(26,000トン)、かが(26,000トン)、ひゅうが(19,000トン)、いせ(19,000トン)を韓国の領海外に派遣し、韓国本土から、米軍などのヘリにより日本の護衛艦に輸送する方法もある。
ただ、「護衛艦いずも」でも民間人の収容人数は1,000名程度なので、4隻派遣しても1度に3,000人程度しか救助できない。
釜山~福岡の距離は直線で約214km、航路ならば250kmと予想される。救助者の乗船下船時間も考慮すると護衛艦が1往復するのに、12時間かかる。
1日で救助できる人数は6,000人なので、日本人全員を輸送するのに10日間かかり、現実的ではない。
まとめ
韓国から日本人が国外に避難する目途が立っていない。自衛隊の航空機、艦船が韓国領内に入れないためだ。
したがって米軍による救出に頼るしかないのが現実だ。
また、北朝鮮に軍事境界線から離れた韓国・釜山から日本に脱出するルートが有力で、対馬経由でのルートも考えられる。