安倍首相は2016年9月2日~3日にウラジオストクで開催されるロシア東方経済フォーラムに出席するためロシアを訪問する。
9月2日は連合国の第二次世界大戦における対日戦勝記念日で、9月3日は旧ソ連の対日戦勝記念日である。
ロシアは安倍首相の訪ロを政治的に利用しようとしている可能性がある。
第二次世界大戦で対日勝利してたのは旧ソ連であるとし、極東のウラジオストクで開催することで中国に対しても圧力をかける意図があるのかもしれない。
ロシアは資源価格低下により経済的に苦境にある。シベリア開発には数兆円以上の開発費用と技術が必要だが、ロシアにはその両方ともない。シベリア開発をするには、日本と協力しないといけない。
日本政府、ロシア経済分野協力担当相を設ける
日本政府は2016年9月1日に、ロシア経済分野協力担当相を設け、世耕弘成経済相が兼任すると発表した。
北方領土返還の見返りに、日本からロシアに対して経済援助をする意図だ。具体的には、ロシア極東、ウラジオストクに日本の自動車会社が自動車組立工場を作る計画に日本政府が補助金をだす案が浮上している。
北方領土の面積と居住人口
島名 | 面積 | 居住人口 |
歯舞群島 | 100k㎡ | 0人(国境警備隊が少数) |
色丹島 | 253k㎡ | 2,913人 |
国後島 | 1,499k㎡ | 7,355人 |
択捉島 | 3,184k㎡ | 6,006人 |
合計 | 5,036k㎡ | 16,274人 |
2島先行返還論浮上
北方領土は「歯舞群島」「色丹島」「国後島」「択捉島」の4島だが、そのうち、「歯舞群島」「色丹島」を先行にして日本に返還する案が浮上している。
これは2001年、当時の森喜朗首相がプーチン氏に提案したと言われる。
安倍首相は森派に属し、森元首相と関係が深い。森元首相はロシアでは人気が高く、今だに一定の影響力がある。ロシア人は単純に大きい人間が好きなのだ。
面積等分案
北方領土の合計面積、5,036k㎡の半分の2,518k㎡を日本、ロシアで分け合う案だ。
具体的には、「歯舞群島「歯舞群島(100k㎡)」「色丹島(253k㎡)」「国後島(1,499k㎡)」については島全体を日本領とする。
さらに、「択捉島(3,184k㎡)」のうち666k㎡を日本領とし、残り2,518k㎡をロシア領とする。
まとめ
安倍首相はアベノミクスも株価下落で怪しくなっており、北方領土返還で一気に形勢逆転を狙っているのではないか?そこを老獪なプーチン大統領に利用されている可能性がある。
軍事的に、国後島と択捉島にはロシアから太平洋に展開する重要な海峡があるので北方領土4島をロシアが簡単に返還するとは思えない。領土返還をするようなそぶりをして日本からシベリア開発の経済の資金や技術援助を得ようとしている可能性がある。
安倍首相は安保や外交に強く、尊敬できる首相ではあるが、ロシアとの外交方針はやや疑問な点がある。