スティーブ・バノン(前大統領首席戦略官)は2017年11月に来日した。その目的とはなにか?
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中国への警戒心
バノン氏は中国について「人民元を米ドルに変わる基軸通貨にしようとしている」と指摘し、金融面で覇権を広げることが目的だと分析した。
「(そうなれば)自由民主主義や自由経済などが敗北する」と警鐘を鳴らし
引用 産経新聞 http://www.sankei.com/world/news/171115/wor1711150029-n1.html
現在、アメリカ・ドルが基軸通貨だが、多くの日本人は、そのことを重要とは思っていない。
したがって、日本人は、「中国元が基軸通貨」になっても、関心がないように思える。
しかし、国際経済的には「基軸通貨」の意味は、最重要事項と言っていいものだ。
基軸通貨の意味
日本からアメリカに自動車を輸出して、日本メーカーはドルで支払いを受ける。
ドルとは、結局「ドル紙幣」のことだ。
つまり、アメリカは、印刷した紙で、日本からレクサスなどの高級車をいくらでも買えるのだ。
アメリカは国債を発行しているが、期限がくれば、償還(返済)しないといけない。
しかし、アメリカはドル紙幣を印刷して、渡せばそれで「償還」できる。
大量に「ドル紙幣」を印刷すれば、超インフレになるが、ドルが基軸通貨である限り、アメリカは「紙にドルと印刷」すれば、世界中から高級車やブランド品、石油まで購入できるのだ。
紙で、なんでも変える仕組み、これが、基軸通貨の最大のメリットだ。
中国元がドルに変わって「基軸通貨」になるということは、アメリカが超大国でなくなることを意味する。
アメリカにとっては、絶対に譲れない最重要ポイントだ。
バノンは日米で中国を押さえ込む
バノンの考えとしては、アメリカの国益を守るために、GDP1位のアメリカとGDP3位の日本で、GDP2位の中国を押さえ込むことにある。
30年後、中国がGDP1位となっても、アメリカと日本が協力すれば、中国を押さえ込めると思っているようだ。
さらには、イギリス、オーストラリアを加えた「米、日、英、豪」の4か国で中国を押さえ込む戦略もありえる。