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E-2D Advanced Hawkeye, VAW125, prepares to land at Marine Corps Air Station Iwakuni, Japan. pic.twitter.com/JTxu4usPMO— World Air Photo (@planenut27) 2017年2月7日
米軍、E-2Dを岩国基地に配備
アメリカ海軍は2017年2月2日、米軍の最新型早期警戒機E-2Dアドバンスド・ホークアイ5機を岩国航空基地に配備した。
今回配備されたE-2Dホークアイは最新型の早期警戒機で、機械式および電子式捜索の2通りの運用が可能なAPY9レーダーを搭載する。
E-2Dは、海上を低空、高速で飛行するステルスミサイルをも補足できる。
E-2D | E-2C | |
レーダー | APY9レーダー | APS-145レーダー |
探知半径 | 560Km | 560km |
レーダーチャンネル | 機械式+電子式18CH | 機械式1ch |
ニフカ(NIFC-CA)
ニフカとは、海軍統合火器管制ー対空(Naval Integrated Fire Control-Counter Air)のことで、E-2Dのレーダーで敵機・敵ミサイルを捕捉し、データリンクしたイージス艦から迎撃ミサイルを発射するシステムだ。
なぜ、ニフカが必要なのか?
イージス艦のSPY-1レーダーは半径500kmを探知できる。しかし、地球が丸いため、水平線の向うはレーダーの死角になってしまう。
例えば海上20mの高さから水平線までの距離は16kmしかない。このため、イージス艦や空母は、超音速ステルスミサイルで攻撃されると、16km手前に接近するまでレーダーで探知できない。
この水平線の向うの死角になる地点から発射されたミサイルを探知、迎撃するするために開発されたのが「ニフカ」だ。
ニフカの運用方法
早期警戒機E-2DやF-35がイージス艦の前方に展開し、敵ミサイルを探知する。その情報はデータリンクでイージス艦に送られ、イージス艦はSM-6ミサイルを発射し、敵ミサイルを迎撃する。
注目すべきは、ニフカは、F-35でも対応できることだ。
ただし、イージス艦はベースライン9に改修する必要がある。
米海軍横須賀基地所属のイージス艦の3隻(チャンセラーズビル、バリー、ベンフォート)はこのベースライン9に改修されており、今回、岩国基地にE-2DとF-35が配備されたことで、ニフカの実戦配備体制が整ったと言える。
中国海軍がさらに弱体化
中国海軍は、まともな空母運用ができず、潜水艦能力も低い。攻撃力に劣るため、超音速ミサイルによる飽和攻撃を攻撃の主軸にしていた。
しかし、今回、米軍がニフカ体制を整えたことで、中国海軍の飽和ミサイル攻撃も無力化されることになる。
日本の対応
現在日本の保有するイージス艦はベースライン9ではなく、ニフカに対応していない。
2020年に就役した8,200トン級イージス艦27DDG「まや」、2021年就役予定の28DDG「はぐろ」に「ベースライン9C2」の日本版「J7」7が搭載える予定である。