共和党の米大統領候補トランプ氏の政策は、「アメリカ第一主義」で、日本が駐留経費の100%負担しない場合、在日米軍の撤退を示唆している。
駐留経費の定義は明確ではないが、年間2,000~3,000億円程度の日本側負担増を要求すると見られる。
在日米軍撤退で日本の防衛費は5兆円増加するか?
一部では、在日米軍撤退で日本の防衛費は対GDP1%の5兆円からGDPの2%10兆円に増加しなけれなならないという意見がある。これは各国の防衛費がGDPの2%であることから単純に連想しただけだ。
日本はいわゆる「おもいやり予算」を含め、毎年7,000億円の駐留経費を負担している。もし、在日米軍が撤退すれば毎年7,000億円を日本の防衛費に加算することができる。
そうりゅう型潜水艦は600億円、イージス艦1,400億円なので、毎年7,000億円あればかなりの増強が可能だ。
そうりゅう型潜水艦は核抑止力になる
海上自衛隊の「そうりゅう型」潜水艦は水深700~900mまで潜航でき、搭載している89式魚雷は水深900mから発射できる。中国の潜水艦に搭載されている魚雷は水深400mで圧潰すると推定される。
したがって水深700m~900mまで潜航できる日本のそうりゅう型潜水艦を攻撃する手段はない。つまり、そうりゅう型潜水艦は相手から攻撃されることなく、一方的に中国の潜水艦を攻撃できる。
そうりゅう型を30隻まで増補させれば、南シナ海の公海に常時5~6隻のそうりゅう型潜水艦を展開できる。これだけで、中国の弾道ミサイル搭載潜水艦を無力化できる。
また、潜水艦発射型巡行ミサイルを搭載すれば、南シナ海など中国沿岸から中国の軍事拠点を射程に収めることができる。
現在、日本の潜水艦保有数は19隻なので10隻の増強(約6,000億円)をすれば、海軍力で中国を圧倒できる。
また、空軍力も早期警戒管制機(AWACS)と空中給油機を増強すれば、空軍力でも中国に負けることはない。
まとめ&補足
在日米軍が撤退しても、現在日本が負担している米軍駐留経費7,000億円を自衛隊の装備に使えば、十分、中国に対して負けない兵力を維持することができる。