航空自衛隊は、日本の防空識別圏内に侵入した航空機がある場合、緊急発進(スクランブル)をする。
今までは、2機でスクランブルを行ってきたが、2017年2月25日までに、4機体制に増強したことが分かった。
これは、最近、中国軍機が尖閣列島周辺に中国軍機が複数機で頻繁に飛行していることに対応するためだ。
従来のスクランブル体制
- 5分待機 F-15J 2機、パイロット3名
- 20分待機 F-15J 2機、パイロット2名~3名
自動車ならエンジンをかけてすぐに発車できるが、航空機は離陸するまで最短で30分はかかる。
敵航空機をレーダーで発見してから、離陸するのに30分もかかっては間に合わない。そこで、いつでも5分以内に離陸できるように24時間体制で待機している。
また、5分待機の2機が離陸すると、20分待機の2機が5分待機の体制に入る。
スクランブル4機体制(予想)
- 5分待機 F-15J 2機、パイロット2名~3名
- 5分待機 F-15J 2機、パイロット2名~3名
従来の20分待機の2機も5分待機態勢にするものと思われる。
全国の航空自衛隊基地の一元運用
那覇基地F-15J 40機体制
2016年1月、航空自衛隊那覇基地に第9航空団を新編成し、F-15Jを20機体制から40機体制とした。
今回のスクランブル4機体制になった結果、那覇基地で航空機が不足する可能性がある。
航空総隊体司令部による一元運用
そこで、航空自衛隊の全基地を東京の航空自衛隊「航空総隊体司令部」で一元管理する。
これにより、那覇基地で4機がスクランブル発進した場合、九州の築城基地の第8航空団からF-2戦闘機をスクランブル発進させ、那覇基地の航空兵力を増強するといったことが迅速にできるようになる。
「航空総隊体司令部」は在日米軍横田基地内にあり、防空、弾道ミサイル防衛で在日米軍と連携する役割も持つ。さらに、AWACSなどの警戒管制部隊やPAC-3などの高射部隊も総合的に指揮する。
つまり、今後はスクラブル4機、全国の航空自衛隊戦闘機、AWACS E-767、E-2C、PAC-3、さらには在日米軍とも連携して対処することになる。
今までよりも一段階、実戦に近づいた体制で、中国空軍との交戦を覚悟した布陣と言える。
運用上の問題点
中国軍機が日本の領空を侵犯しても、自衛隊機は攻撃できない
自衛隊F-15Jは領空侵犯した中国軍機に対し、無線で「領空から退去せよ」と呼びかけたり、F-15Jの主翼を上下に揺らして注意喚起する程度のことしかできない。
もちろん中国軍機がミサイル発射した場合は正当防衛として反撃できる。しかし、中国軍機がミサイルを目視できる距離で発射したなら、自衛隊機は回避不可能だ。
つまり、中国空軍と自衛隊戦闘機の間で交戦が発生した場合、中国軍の先制攻撃で始まり、その時、自衛隊機1機は撃墜される。
現在の法律解釈では、領空侵犯した中国軍機を自衛隊機が撃墜した場合、自衛隊員は殺人罪で起訴されることになる。