北朝鮮はICBMの大気圏再突入技術を確立していない。しかし、早ければ、2018年前半にも再突入技術を完成すると予想されている。
アメリカから見れば、北朝鮮が大気圏再突入技術を確立する前に、全面戦争をした方が都合がいい。
それは、アメリカ軍が先制攻撃しても、北朝鮮は米国本土を核攻撃できないからだ。
したがって、アメリカ軍が北朝鮮と全面戦争をする当面のタイムリミットは2018年前半となる。
全面戦争の準備には6ヵ月はかかるので、全面戦争の決断は2017年末までにしなければならない。
核戦争も視野に入れた全面戦争の準備費用は5兆円~10兆円と思われる。
したがって、戦争準備を開始して、途中で戦争を中断することはできない。
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在韓米軍の撤退の可能性
トランプ大統領は、中国を利用して北朝鮮に核・ミサイル放棄をさせようとした。トランプ大統領は、自分で動くよりも周辺国を利用する政治手法を好む。
しかし、中国は北朝鮮の説得に失敗した。その次に利用できるのは韓国しかない。
そのために、韓国との協定で制限していた韓国の弾道ミサイルの爆薬量を解除した。
これにより韓国は単独でバンカーバスター(地中貫通弾)を保有できる。
韓国が2017年12月1日に「斬首作戦部隊」を創設するが、バンカーバスターも保有できることになる。
一部では、今更「斬首作戦部隊」創設は遅すぎるという発言があるが、近代戦の「斬首作戦部隊」は特殊部隊がマシンガンで攻撃するだけではない。
バンカーバスターで先制攻撃をし、その後、特殊部隊が入るというのが、「斬首作戦」なのだ。
つまり、「斬首部隊」は韓国軍がバンカーバスターの保有を認められたから創設できたと言える。
今後の展開
北朝鮮との全面戦争となれば米兵5万人~10万人が犠牲となる。トランプ大統領が北朝鮮との戦争を躊躇しているのは米兵の犠牲が大き過ぎるからだ。
トランプ大統領は、北朝鮮がICBMを完成させる2018年後半までに、北朝鮮に核・ミサイルを放棄させたい。
しかし、それが不可能な場合には、「北朝鮮と戦争をする」か、「在韓米軍を撤退する」かの選択肢が浮上してくる。
もし、在韓米軍を撤退させた場合、韓国内には北朝鮮融和派が多く北朝鮮との統一に動く可能性がある。
韓国は北朝鮮統一することで、一夜にして核保有国になれるのだ。これは韓国人にとっては魅力的なことだ。
日本への影響
今までは朝鮮半島の38度線で東西軍事大国が対立していた。朝鮮半島が統一されれば、日本と朝鮮半島の間が軍事大国の分水嶺となる。
そうなれば、アメリカは日本の自衛隊が敵地攻撃力を保有することを認めざる負えない。
アメリカは日本に朝鮮半島を抑止する役割を期待するだろう。
しかし、アメリカは自国の国益を優先する。場合によっては、中国、ロシア、アメリカの3ヵ国で協調関係ができる可能性がある。
そうなると、日本の孤立は避けられない。第二次世界大戦と同じ構造になる可能性もある。
日英同盟
イギリスはコモンウェルス(英連邦)という世界53ヵ国23億人の国家連合の盟主国で、その外交力は日本が及びもしない強大なものだ。
さらに、MI6などのインテリジェンスの分野では世界トップクラスだ。
日本はイギリスの外交力、インテリジェンスを利用して、アメリカ、中国、ロシアを動かす必要がある。
安倍政権はトランプ大統領頼りという単純な政策なので、このままでは、日本が窮地に陥る可能性がある。