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F/A-18ブロックⅢスーパーホーネット 米海軍2021年9月受領・自衛隊も導入するメリット大(スクランブル用にF-15Jを補完)

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出典 Boeing社

自衛隊は1981年から213機のF-15Jを導入しており、古い機材は機齢40年を超える。

F-15Jの改修

F-15Jの現在の保有数201機のうち、近代化に適さない前期型(Pre-MSIP機)99機をF-35A(105機)で代替、残り後期型(J-MSIP機)102機のうち70機を改修する。

航空自衛隊は、主力戦闘機F-15Jに長距離巡航ミサイルを搭載する改修を行う計画だった。

しかし、改修費用が当初の3240億円から5520億円に増加したため、空対地長距離巡航ミサイル「AGM-158B JASSM-ER」のみ搭載し、空対艦長距離巡航ミサイル「AGM-158C LRASM」の搭載を断念した。

これにより、改修費用は3970億円まで削減でき、70機を改修するので1機当たり約57億円となった。

 

F/A-18ブロックⅢスーパーホーネット

古い機材のF-15Jに数千億円の改修費用をかけるよりも、アメリカ海軍が2021年9月から受領開始した「F/A-18ブロックⅢスーパーホーネット」を航空自衛隊も導入してはどうか?

「F/A-18ブロックⅢスーパーホーネット」には、長距離巡航ミサイル「JASSM-ER(射程約900km以上)」と空対艦長距離巡航ミサイル「AGM-158C LRASM(射程約900km以上)」の両方を搭載できる。

さらに、2022年7月には、無人機3機との連携飛行に成功しており、将来的には無人機の母機として使用することもできると思われる。

アメリカ軍の調達価格は1機60億円だが、自衛隊が購入する場合は1機100億円以上になると思われる。

しかし、アメリカ軍が2046年まで運用する予定で、F-15Jが2040年に退役することを考慮すると自衛隊が導入するメリットはあると思う。

 

アメリカ海軍のスケジュール

2014年8月 試験飛行に成功
2020年6月17日 F/A-18E(単座)とF/A-18F(複座)の合計2機をアメリカ海軍に試験飛行のため納入
2021年9月27日 アメリカ海軍に初号機を納入
2022年7月 無人機3機との連携飛行に成功
2046年まで 運用終了予定

 

F/A-18E/F ブロックⅢの概要

  • F414-GE-EPEエンジンを搭載し、推力を20%増強
  • 全長を86cm延長し容量3500ポンド(約1587kg)のコンフォーマル・フューエル・タンクを増設、さらに垂直尾翼にも燃料を搭載
  • エンクローズド・ウェポンポッドを搭載
  • 電波吸収材(LO塗装 low observable)を採用、エアインテークの形状を平行四辺形に改良しRCS(レーダー反射断面積)を1㎡から0.5㎡に半減(F-15Jは25㎡)
  • アクティブ・フェーズド・アレイ・レーダー「AN/APG-79」(探知距離150km)搭載
  • データリンク装備、ネットワーク性能はF-35C以上とも言われる
  • 空対地長距離巡航ミサイル「JASSM-ER(射程約900km以上)」搭載可能
  • 空対艦長距離巡航ミサイル「AGM-158C LRASM(射程約900km以上)」搭載可能
  • 機体寿命を約10,000時間に延長
  • F/A-18 ブロックⅢのアメリカ軍の調達数は78機(単座F/A-18E型61機、複座F/A-18F型17機)で調達金額は合計40億ドル(約4,400億円)、1機当たり5,600万ドル(約60億円)
  • アメリカ海軍の艦上機は、F/A-18E/FとF-35Cが半数ずつとなる予定
  • 無人機3機との連携飛行に成功

 

中国空軍Su-30MKKに単機で負けるF-15J

日本の航空自衛隊は早期警戒機「E-2C」やAWACS「E-767」を保有しており、400km以上離れた位置から中国空軍Su-30MKKを捕捉できる。

そのため実戦となれば航空自衛隊F-15Jは、中国空軍のSu-30MKKに勝てると予想される。

しかし、スクランブルのように戦闘機が1対1で接近して対峙する場合、航空自衛隊F-15Jは旋回性能の高い中国空軍Su-30MKKに負ける。

現在、中国空軍機「Su-30MKK」は推力偏向ノズルを装備していないが、もし中国軍が推力偏向ノズルを搭載した「Su-30MK」を導入すれば、今のF-15Jでは全く対抗できなくなる。

このまま、F-15Jでスクランブルをして大丈夫なのか?

また、中国空軍が配備している「空対空ミサイル(PL-21)」の性能は米国のAIM-120(AMRAAM)を凌ぐとも言われており、将来的に射程は400kmに及ぶと予想されている。

航空自衛隊の早期警戒機「E-2C」やAWACS「E-767」が中国空軍の空対空ミサイルで撃墜されれば、日本のF-15Jも中国のSu-30MKKに撃墜される。

中国空軍パイロットに自衛隊に勝てると思わせると、中国空軍パイロットが個人的な判断で日本との突発的な局地戦戦を安易に始める危険性がある。

平和のためにこそ、F-15Jよりも強力なスクランブル用戦闘機が必要だ。

また、F-15JのRCS(レーダー反射断面積)は25㎡であるが、F/A-18ブロックⅢは0.5㎡まで小さくなっている。やはりF-15Jの設計思想は古くなっている。

 

スクランブル(対領空侵犯措置)

中国軍の膨張政策により、航空自衛隊「那覇基地」のスクランブル発進回数が高止まりしている。スクランブルの回数は全国の自衛隊全体で年間約1,000回でそのうち那覇基地は約800回となっている。

しかも、実は「対空」緊急発進のみを「スクランブル」といい。「対艦」緊急発進は「スクランブル」とは言わない。

例えば、尖閣列島領海に中国艦船が侵入した場合もF-15Jは緊急発進しているが、「対艦」であるため「スクランブル」の集計には含まれていない。

「対艦」緊急発進も含めれば、スクランブルは年間2,000回近いと思われる。

 

航空自衛隊「那覇基地」

航空自衛隊「那覇基地」には2飛行隊(第204飛行隊、第304飛行隊)の合計40機F-15Jが配備されており、スクランブルにもF-15Jが使用されている。

今後、航空自衛隊はF-35A(空軍型)を105機、F-35B(短距離離陸・垂直着陸)を42機の合計147機を導入する予定だ。

しかし、那覇空港のF-15Jは40機であり、F-35Aで代替すると残りのF-35Aは65機となる。

つまり、那覇以外の全基地で合計65機となるので、那覇基地に配備されるF-35Aは20機で、残り20機はF-15Jのままと予想される。

しかも、F-35Aをスクランブルに使用すると中国軍にその性能を解析される可能性があるし、ステルス機のため中国軍に発見されず予想外に接近してしまう危険性がある。

またF-2戦闘機の保有数は88機であり、そのうち40機を那覇基地に配備しスクランブルに使用することは現実的ではない。

さらに、戦闘機の運用時間は有限であり、スクランブル(緊急発進)は機体への負荷も高い。数年間もスクランブル運用すると実戦のときに100%の性能を出せなくなる可能性もある。

2030年頃にF-15Jが運用できるかどうか不安な面もある。

 

F/A-18E/F ブロックⅢ

そこでアメリカ海軍が2021年9月に受領した「F/A-18E/F ブロックⅢ」をスクランブル用に60機調達し、40機を那覇基地に配備し、残り20機を訓練用に使用してはどうか?

アメリカ軍はF/A-18E/F ブロックⅢを1機当たり1機当たり5,600万ドル(約60億円)で調達しているが、日本が導入する場合は1機100億円になるかもしれない。

しかし、アメリカ海軍は2046年まで運用する計画で、航空自衛隊も今後20年以上スクランブル用に使用できる。

実はアメリカ軍でさえ、すべての戦闘機を高価なステルス機だけで編成することはできない。

アメリカ海軍は、F-35C(空母型)で航空優勢(制空権)を確立したのち、第2派攻撃としてF/A-18を使用する計画だ。

アメリカ空軍も、2040年までは、F-22、F-35Aで1次攻撃をし、その後はF-15Eで2次攻撃をする戦術だ。

 

まとめ

日本の航空自衛隊はF-35A(F-35B)、F-15J、F-2、の3機種の戦闘機を保有している。新にF/A-18を導入すると4機種になって、整備人員やパイロットが不足するかもしれない。

現実的には、F-15J(後期型)を2035年くらいまでスクランブル運用せざるを得ないかもしれない。

しかし、至近距離まで接近するスクランブル運用で、単機性能とは言え中国空軍機Su-30MKKに簡単に後ろを取られてしまうF-15Jを使用し続けていいのか?

さらに、2040年頃でも、航空自衛隊はすべての戦闘機をステルス機にすることは予算上できないと思われる。

そのためアメリカ軍のようなハイローミックスで戦闘機の数を揃える必要がある。そのローの戦闘機としてF/A-18ブロックⅢは最適と思われる。

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