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イージス・アショア予算「800億円 ⇒ 6,000億円」になった理由

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出典 防衛省

防衛省は陸上配備型の弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」(aegis-ashore)を導入する方針を決定した。

イージス・アショアの建造費は当初「800億円」と言われたが、最近では「 6,000億円」と報道されている。

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800億円は1基、6,000億円は2基

まず、800億円と言われたのは「イージス・アショア」1基の値段であって、最近言わてれている「6,000億円」は2基合計の値段だ。

正確に言うと「800億円 ⇒ 3,000億円」となる。

その後、「800億円⇒1,340億円」と報道されるようになった。

 

レーダーの高度化

陸上配備型「イージスアショア」の費用800億円とは、イージス艦と同じ「SPY1」レーダー(探知半径500km)で見積もりした可能性がある。

しかし、防衛省は最新の「SSRレーダー」(ソリッド・ステート・レーダーシステム 探知半径1,000km)を採用する。

そのため、当初の予算から、調達費用が増加した。

 

800億円にはミサイルは含まれていない

当初の800億円は、「レーダー」と「システム」の建造費だけで、「SM3ブロックⅡA」ミサイルの費用が含まれていない。

2018年1月、米政府は、「SM3ブロックⅡA」4発を日本に1億3330万ドル(約147億円)で売却すると米議会に報告した。

「SM3ブロックⅡA」ミサイル本体以外に関連部品も含まれるが、1発当たり約37億円となる。

防衛省は、「SM3ブロックⅡA」の調達数を公表していないが、イージス・アショア2基で「SM3ブロックⅡA 数十発」と報道されている。

例えば、48発なら単価37億円なので、合計1,776億円となる。

 

 

SM-6の導入

イージス・アショアに採用される「SM3ブロックⅡA」の最低高度は70kmで、高度10km~20kmで飛行してくる爆撃機を迎撃できない。

したがって、イージス・アショアを防衛するSM-6ミサイルを導入する。

 

6,000億円の内訳予想

イージス・アショア × 2基(1基800億円) 1,600億円
最新型SSRレーダー×2基 1,080億円
30年間運用する維持費と教育訓練費 1,984億円
合計 4,664億円
SM3ブロックⅡA × 48発(1発37億円) 1,776億円
SM-6 300億円
合計 6,740億円

SM-6ミサイルを調達することは事実だが、イージス・アショア予算に含まれるかどうかは現段階では不明で、別予算で調達する可能性もある。

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イージス・アショアの概要

ミサイル SM3ブロックⅡA
最大射程 2,000km
最高高度 1,200km
最低高度 70km
費用 1基1,000億円
配備数 2か所で日本全土をカバー
運用人員 1基20人~30人で運用(12人×3交代という情報もある)
配備年度(予定) 2023年以降の配備予想

 

迎撃ミサイルの比較

PAC-3 PAC-3MSE THAAD SM-3ブロック1A SM-3ブロック2A
射程 20km 40km 200km 1,200km 2,000km
高度 15km 30km 40km~150km 70km~600km 70km~1,200km
ミサイル単価 5億円 10億円~15億円 20億円 30億円
システム価格 60億円 1,000億円~1,500億円 1,000億円~2,000億円 1,000億円~2,000億円

 

出典 防衛省

イージスアショアで導入を予定しているのは、最新の「SM-3ブロック2A」ミサイル。

SM-3ブロック1A、2Aの価格はイージス艦配備型で試算。

 

配備場所は「秋田」「山口」が有力

イージス・アショアの射程は2,000kmなので、1か所で全体をカバーできる。しかし、過去、北朝鮮から発射される弾道ミサイルは、東北上空と、沖縄方面の2つのコースを通過した。

そのため、イージス・アショアはそれらの2つのコースで迎撃するよう「秋田市」(新屋演習場)と「山口県萩市」(むつみ演習場)に配備する可能性が高い。

 

「舞鶴」配備の可能性は少ない

首都圏、中部圏、関西圏を北朝鮮の弾頭ミサイル飽和攻撃から防衛するためには舞鶴にも配備と防衛力を高められる。

舞鶴基地にはイージス艦が配備されているが、24時間体制の警戒は負担が多いため、陸上配備型のイージス・アショアで代替し、イージス艦の負担を少なくすることも考えられる。

しかし、舞鶴周辺には米軍のXバンドレーダーが設置されており、イージスアショアを配備すると、イージスアショアのレーダーと電波の干渉が懸念されるため、配備されないと予想される。

 

SM-6も配備

イージスアショアはSM-3ブロック2Aミサイルを配備するが、高度70km以下は迎撃できない。そこで70km以下の敵ミサイル、航空機に対応するためSM-6(射程360km)も追加配備する。

SM-6のシーカーはAIM-120(アムラーム)と同じものを搭載し打ちっぱなしできる。

 

まとめ

東北には米軍三沢基地があり、また、沖縄・グアムには米軍基地があるので、そういう面からも秋田に1基、山口に1基のイージス・アショアを配備する可能性が高い。

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