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ステルス戦闘機F-35の飛行性能はF-16に及ばない

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F-35戦闘機 (出典 米空軍)

F-35戦闘機ロッキード・マーチン(米国)が中心に開発した第5世代戦闘機で、英国、イタリア、オランダ、カナダ、オーストラリア、トルコ、デンマーク、ノルウェーが共同開発に参加した。

F-35には、F-35A型F-35B型F-35C型の3タイプがある。

F-35A F-35B F-35C
戦闘機 垂直離着陸型 空母搭載型
空軍 海兵隊 海軍

初飛行は2006年で2015年にF-35B型が米国で配備された。日本の自衛隊も2016年10月にF-35A型初号機(AX-1)を受領する予定。

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F-35とライバル機との性能比較

F-35 F-22 F-16 F-15 Su-27
速度(A/B) マッハ1.6(1,960km/h) マッハ2.4(2,900km/h) マッハ2(2,500kn/h) マッハ2.5(3,000km/h) マッハ2.35(2,880km/h)
速度(A/Bなし) マッハ1.2 マッハ1.8  マッハ0.7  マッハ0.9  マッハ0.9
最大離陸重量(燃料含む) 31.8トン 38トン 21トン 27トン 33トン
エンジン推力(A/B) 19.5トン(1基) 32トン(2基) 13トン(1基) 21トン(2基) 25トン(2基)
エンジン推力(A/Bなし) 12.7トン(1基)  23トン(2基)  8トン(1基)  13トン(2基)  15トン(2基)
全長 15.4m 18.9m 15m 19.4m 22m
全幅 10.7m 13.1m 9.5m 13.1m 14.7m
主翼面積 47.7㎡ 78㎡ 28㎡ 56.5㎡ 62㎡
航続距離(内部燃料) 2,200km 2,800km 2,400km 2,800km 3,600km
搭載ミサイル(射程) AIM-120 AIM-120 AIM-120 AIM-120 R-27

F-35は米国の空軍、海兵隊、海軍および共同開発国9か国で共同開発された。そのためそれぞれの国の軍隊の要望を取り入れたため、重量が重くなった。

それがF-35の最高速度がマッハ1.6F-16マッハ2よりも遅くなった理由だ。

この重量の増加は空中旋回性にも影響して、F-35の機動力はF-16よりも悪い。

 

F-35の運用方法

F-35はF-16よりも飛行性能は劣るが、それはあまり問題とはならないとされる。それは、F-35はE-767(早期警戒管制機 AWACS)やE-2C(早期警戒機)と共に運用されるからだ。

具体的には探知距離800kmのE-767や探知距離400kmのE-2Cで敵戦闘機を捕捉し、航空管制あるいは地上管制とデータリンクしたF-35が敵機レーダーから捕捉されない地点から空対空ミサイルを発射して撃墜するという運用方法だ。

しかし、F-35のRCS(レーダー反射断面積)は0.001㎡で、F-35が敵機に50kmまで接近すると敵の高性能レーダーに探知されてしまう。したがって敵機より100kmの距離を取って空対空ミサイルを発射しないといけない。

もし、敵機に50kmまで接近し探知された場合、敵戦闘機がマッハ2.5で追いかけてくるとF-35がマッハ1.6で逃げても1分で15km距離を詰められ、敵機との距離は35kmとなる。2分後には敵機は20kmまで接近してくる。

条件が良ければ20km先の航空機は肉眼で確認できる。ステルス戦闘機と言ってもレーダーに映らないだけで、肉眼では見える。20km先から敵機の空対空ミサイル攻撃を受けた場合、F-35は撃墜される。

F-35は敵機との1対1の空中格闘戦(ドッグファイト)をすれば、負ける。したがって、敵は射程100km以上の長距離空対空ミサイルでE-767やE-2Cを撃墜し、F-35との1対1の空中格闘戦(ドッグファイト)に持ち込もうとする。

そうなればF-35は敵の第4世代戦闘機に撃墜される結果となる。

したがってF-35が主力戦闘機になることはあり得ない。F-3(自衛隊次期主力戦闘機)が必要になってくる。

自衛隊でもF-35はF-4ファントムの後継機という位置づけでしかない。

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自衛隊の調達計画

自衛隊はF-35A型を42機調達する予定で、最初の4機(AX-1~AX-4)は米国で生産する。この輸入機体の購入価格は、1機96億円(部品を含め102億円)。

 

日本国内でライセンス生産

42機のうち38機(AX-5~AX42)は、日本国内でライセンス生産する。単に部品を組み立てる「ノックダウン方式」ではなく、部品の4割を日本国内で生産し、組み立てる。また、日本で生産した部品を共同開発国へ輸出することも可能となる。

42機の購入価格(ライセンス生産分も含む)と20年間の維持費の総額は1兆6000億円に上る。1機あたりのコストは381億円となる。

日本国内でライセンス生産するF-35は、2015年12月から三菱重工業小牧南工場(愛知県)で組み立てが始まった。国内ライセンス初号機AX-5は2017年に完成し、三沢基地に配備される。

日本生産で生産されるF-35の部位は、主翼後部胴体尾翼エンジンの一部、レーダーで、全体の約4割に及ぶ。

参加企業 担当部品 工場
三菱重工業 主翼、後部胴体、尾翼 小牧南工場
IHI エンジン 瑞穂工場(東京)
三菱電機 レーダー部品 鎌倉製作所

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射程300kmの空対空ミサイル「ミーティア」搭載か?

F-35の空対空ミサイルはAIM-120(AMRAAM)が搭載される予定で、射程は50km~100kmと思われる。

国産の空対空ミサイルAMM-4(99式空対空ミサイル)は直径が20.3cmでAIM-120よりも約2cm大きく、F-35のウエポンベイに格納できない可能性がある。(一部では、2cmの差なので、格納できるという意見もある)

F-35のウエポンベイに格納できたとしても火器管制システムの改修が必要で、搭載するまでには数年かかると予想される。

ミーティアミサイルMeteor)はイギリスを中心とする欧州メーカーが開発しており、わずかな改良でF-35に搭載できる。

日本のAMM-4用のシーカーを搭載した改良型ミーティアを開発する予定で、射程は300kmと言われる。将来的には自衛隊のF-35Aにこの改良型ミーティアを搭載する可能性もある。

射程300kmであれば、F-35は敵戦闘機と200km以上距離をとって空対空ミサイルで攻撃できるので、F-35の攻撃力、生存率は飛躍的に高まる。

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