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自衛隊 射程500km以上のスタンド・オフ・ミサイル「JSM(F-35Aに搭載)」2022年3月導入予定に遅れ・「空対地ミサイルJASSM-ER(射程926km)F-15Jに搭載」導入へ

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出典 航空自衛隊

近年、中国は射程400km以上の長距離地対空ミサイル「S-400」(ロシア製)を配備しており、有事になれば航空自衛隊の戦闘機F-15Jなどは尖閣列島に接近することすら困難になる。

そのため、中国の地対空ミサイルの射程外から中国軍を攻撃できる長射程ミサイル「スタンド・オフ・ミサイル」が必要になってきた。

JSM(F-35Aに搭載)

自衛隊は、射程500kmのJSM(Joint Strike Missile ジョイント・ストライク・ミサイル)を149億円の取得で2022年3月までに導入し、F-35Aに搭載する予定だった。

しかし、米国製機材の不足が原因で調達できていない。

JSMはノルウェーが開発した対艦巡航ミサイルNSM(ナーヴァル・ストライク・ミサイル)をF-35A戦闘機用に改良したもので、F-35Aのウエポンベイ(胴体内部)に格納できるように小型化しており、射程距離が500kmとやや短い。

ただし、短距離離陸・垂直着陸型のF-35Bのウエポンベイには格納できない可能性がある。

 

JASSM-ER(F-15Jに搭載)

防衛省はF-15J戦闘機に射程900km以上の長距離巡航ミサイル(対地、対艦)を搭載することを計画していた。

しかし、アメリカ空軍はF-15に「JASSM-ER(空対地巡航ミサイル)」を搭載しておらず、米航空機メーカーが製造ラインの新整備を理由に当初の見積もり3240億円を1.7倍にあたる5520億円まで引き上げたことから計画が一時中止になっていた。

結果、長距離巡航ミサイル「JASSM-ER(空対地巡航ミサイル)」のみ搭載し、「LRASM(空対艦巡航ミサイル)」の搭載は断念した。

最終的に、201機保有するF-15Jの後期型「F-15J-MSIP」(102機)のうち70機を2028年までに改修することになった。

射程900kmの長距離対艦巡航ミサイル「LRASM」の搭載を中止したことの代替策として、今後、防衛省は、陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾を1000km長射程化しスタンドオフミサイルとし、F-2戦闘機に搭載する予定。

ミサイル 内容 射程 導入時期 発射方法など
JSM 空対地巡航誘導弾 500km以上 2022年3月

遅れ

ステルス戦闘機F-35A(ウエポンベイ内部)
JASSM-ER 空対地巡航誘導弾 926km以上 F-15J(要改修)・F-35A(ウエポンベイ外部)
LRASM 空対艦巡航誘導弾 800km以上 ハープーン後継・護衛艦垂直発射(VSL)・潜水艦(魚雷発射管)

コメント

F-15は1972年初飛行の古い機材でステルス性能はない。しかし、F-35戦闘機の調達数は147機であり絶対数が少ない。そこでF-15Jを近代化再改修し2040年頃まで運用するつもりではないか?

F-15JのRCS(レーダー反射断面積)は25㎡で、いくら電子戦に対応する改修を行ってもステルス性能向上には限界があるが、前線でF-35が敵戦闘機と対峙し、その後方にF-15Jを配置し長距離巡航ミサイル「JASSM-ER(対地)」を発射する戦術と思われる。

 

JSM(ジョイント・ストライク・ミサイル)

出典 平成30年版防衛白書

名称 空対地巡航誘導弾JSM
英語表記 Joint STRIKE Missile
就役 2021年度(2022年3月末まで)
射程 500km
速度 約マッハ0.8(時速864km)
重量 800kg~900kg
全長 約370cm
全幅(翼) 約200cm
直径 不明
重量 407kg
弾頭重量 125kg
誘導方式 地形照合、赤外線画像認識誘導、GPS、慣性誘導、赤外線ホーミング
価格1発 不明
2021年予算 取得費149億円

JSM(ジョイント・ストライク・ミサイル)はノルウェーが開発した対艦巡航ミサイルNSM(ナーヴァル・ストライク・ミサイル)をF-35A戦闘機用に改良したもので、F-35AやF-35Cのウエポンベイ(胴体内部)に格納できるように小型化しており、射程距離が500kmとやや短い。

ただし、短距離離陸・垂直着陸型のF-35Bのウエポンベイには格納できない可能性がある。

より大型のミサイル「LRASM」の価格が約4億円なので、それよりも安い2億円~3億円ではないか?

 

ASM-3(改良型)との比較
自衛隊は空対艦ミサイルASM-3改良型(射程400km)を2025年にも配備する方針だ。ASM-3改良型はマッハ3という超音速ミサイルだが、「JASSM-ER」はマッハ0.8(時速864km)と民間航空機並みの速度で、その分燃費がよく射程距離も926kmと大幅に長い。

 

LRASM(ロラズム)導入中止

出典 平成30年版防衛白書

LRASM(ロラズム)は、JASSM-ER(空対地ミサイル)を対艦ミサイルとして開発したミサイルで、ハープーンの後継となりMk.41VLS(垂直発射システム)からも発射できるよう直径が小型化されている。

ハープーンの直径は34.3cmなのでその程度と予想される。

JASSM-ERの射程は926kmだが、LRASM(ロラズム)はやや小型化され射程も800kmと若干短くなっている。

そうりゅう型潜水艦は魚雷発射管からハープーンを発射できるので、LRASM(ロラズム)も発射できる可能性がある。

LRASM(Long Range Anti-Ship Missile)

名称 長距離対艦ミサイル「ロラズム」
英語表記 Long Range Anti-Ship Missile
就役 不明
射程 800km
速度 マッハ0.8(約時速864km)
重量 約1,000kg
全長 427cm
全幅 240cm
直径 不明
弾頭重さ 453kg(1,000ポンド)
誘導方式 GPS+自律誘導(INS)
価格1発 不明
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