自衛隊、射程926km以上巡航ミサイル「JASSM-ER」(AGM-158)導入を検討

日本の自衛隊は、「空対地」巡航誘導弾 JASSM(Joint Air-to-Surface Standoff Missile)ジャズムの射程を延伸した「JASSM-ER」の導入を検討しており、2018年度予算に「LRASM(ロラズム)」と合計で調査費3,000万円の計上を要求した。

「LRASM(ロラズム)」は、「JASSM-ER」を艦船から発射できるように直径を小型化し射程も800kmとやや短くしたハープーンの後継となる「対艦」ミサイルとなる。

また、「空対地」巡航誘導弾JSMは2021年度までに配備を目指しており、2018年度予算取得費22億円を追加要求した。

 

JASSM-ERのスペック

名称空対地巡航誘導弾 AGM-158
英語表記Joint Air-to-Surface Standoff Missile
就役2009年
射程926km以上
速度マッハ0.8(時速864km)
重量975kg
全長427cm
全幅241cm
直径不明
弾頭重さ453kg(1,000ポンド)
誘導方式GPS/INS+画像赤外線
価格1発1億4000万円

搭載戦闘機

米軍ではB1爆撃機、F-15E、F-16にJASSM-ERを搭載しているが、自衛隊のF-15Jに搭載するには機体の補強と火器管制システムの改修が必要になる。

F-2戦闘機もF-16の派生モデルなので改修すれば搭載可能だが、現状では搭載できない。

また、将来的にはF-35戦闘機にも搭載できるとされるが、その場合ウエポンベイには格納できずF-35戦闘機のステルス性を悪化させる可能性がある。

 

運用方法

JASSM-ERの射程は926km以上なので、例えば日本海側の小松基地から直接、北朝鮮のミサイル基地を攻撃できる。

JASSM-ERの飛行高度は6,600mだが、低空飛行もできる。その場合、目的地周辺まで低空で接近し、目標物手前で一旦急上昇し、急降下して爆撃することもできる。

命中精度は3mとされ、ステルス性能もある。

 

実戦投入

2018年4月13日、アメリカ軍はシリア攻撃で「JASSM-ER」を初めて使用した。B1爆撃機2機から合計19発を発射した。

 

LRASM(ロラズム)

出典 平成30年版防衛白書

LRASM(ロラズム)は、JASSM-ER(空対地ミサイル)を対艦ミサイルとして開発したミサイルで、ハープーンの後継となりMk.41VLS(垂直発射システム)からも発射できるよう直径が小型化されている。

ハープーンの直径は34.3cmなのでその程度と予想される。

JASSM-ERの射程は926kmだが、LRASM(ロラズム)はやや小型化され射程も800kmと多少短くなっている。

そうりゅう型潜水艦は魚雷発射管からハープーンを発射できるので、LRASM(ロラズム)も発射できる可能性がある。

LRASM(Long Range Anti-Ship Missile)

名称長距離対艦ミサイル「ロラズム」
英語表記Long Range Anti-Ship Missile
就役不明
射程800km
速度マッハ0.8(約時速864km)
重量約1,000kg
全長427cm
全幅240cm
直径不明
弾頭重さ453kg(1,000ポンド)
誘導方式GPS+自律誘導(INS)
価格1発不明

 

JSM(ジョイント・ストライク・ミサイル)

出典 平成30年版防衛白書

名称空対地巡航誘導弾JSM
英語表記Joint STRIKE Missile
就役2021年度
射程500km
速度約マッハ0.8(時速864km)
重量800kg~900kg
全長約400cm
全幅約200cm
直径不明
弾頭重さ約300kg~400kg
誘導方式地形照合、赤外線画像認識誘導
価格1発不明

JSM(ジョイント・ストライク・ミサイル)はノルウェーが開発した対艦巡航ミサイルNSM(ナーヴァル・ストライク・ミサイル)をF-35A戦闘機用に改良したもので、F-35Aのウエポンベイに格納できるように小型化しており、射程距離が500kmとやや短い。

2021年度の配備を目指しているが、F-35Bのウエポンベイには格納できない可能性がある。

 

ASM-3(改良型)との比較

自衛隊は地対艦ミサイルASM-3改良型(射程400km)を2023年にも宮古島に配備する方針だ。

ASM-3改良型はマッハ3という超音速ミサイルだが、「JASSM-ER」はマッハ0.8(時速864km)と民間航空機並みの速度で、その分燃費がよく射程距離も926kmと大幅に長い。

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