北朝鮮のICBM(大陸間弾道弾)開発が難航しているようだ。
ICBMは発射後、高度500km以上の宇宙空間に出て再び大気圏に再突入するが、その速度はマッハ20、温度は7,000度となる。
再突入技術の難易度は高く、素材から開発しなければならず北朝鮮の開発は進んでいない。
ICBM技術項目 | 開発状況 |
射程(1万km以上) | 〇 |
核弾頭小型化(重量250kg~500kg) | 〇 |
大気圏再突入技術(マッハ20、温度7,000度) | × |
2017年11月現在、北朝鮮はICBMの射程距離、核弾頭の小型化はほぼ成功しているが、大気圏再突入技術については成功していない。
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SLBM搭載可能潜水艦は80%完成か?
米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」は2016年9月に、衛星写真の分析から、北朝鮮東部の新浦造船所で、新型潜水艦を建造している可能性がある、と指摘している。
潜水艦発射ミサイル(SLBM)の開発は順調で、ミサイル本体はほぼ完成し、現在はSLBMを発射する3,000トン級の大型潜水艦(新浦C級?)を建造しているとされる。
また長期期間の潜航が可能なAIP(非大気依存推進)も導入しているとの見方もある。
もしAIP搭載が本当であればアメリカ大陸から2,000kmまで近づくことができ、そこから射程2,000km以上のSLBM(北極星3)を発射できる可能性がある。
北朝鮮はSLBM「KN11(北極星1号)」を発射できる新浦級潜水艦(2,000トン)を保有しているが、実戦運用できない試験艦と見られている。
新型潜水艦はSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射管2~3基備え、新型SLBM(北極星3号)を搭載するとされる。
北極星1 | 北極星2 | 北極星3 | |
射程 | 1,000km | 2,000km | 2,000km以上 |
発射方式 | コールドランチ | コールドランチ | コールドランチ |
燃料 | 固体燃料 | 固体燃料 | 固体燃料 |
まとめ
北朝鮮はICBM(大陸間弾道弾)の射程(1万3000km)、核弾頭小型(弾頭重量250kg)にほぼ成功していると見られるが、大気園再突入技術は完成していないと見られる。
その一方、潜水艦発射ミサイル(SLBM 北極星3)の開発は順調で、現在、アメリカ大陸近海まで到達できる3,000トン級新型潜水艦の建造が80%進んでいると見られる。
2018年前半にも新型潜水艦が完成する可能性がある。