日米首脳会談で飛び出した、いわゆる「真珠湾発言」。
きっかけとなったのは、テレビ朝日の千々岩森生記者による質問でした。
その内容と波紋を踏まえ、「あの質問は失礼だったのか?」を冷静に考えてみます。
結論から言えば、千々岩記者の「英語表現」がトランプ大統領を「強く非難する印象」を与えた可能性があります。
千々岩記者はトランプ大統領に対し、
「なぜイラン攻撃前に同盟国に知らせなかったのか?」(Why didn’t you warn your allies in Europe and Asia before the attack on Iran?)
という趣旨の質問を投げかけました。
これに対しして、トランプ大統領は
「奇襲を狙い、誰にも知らせたくなかった。(日本は)なぜ真珠湾攻撃を知らせてくれなかったのか?」(Why didn’t you tell ME about PEARL HARBOR?)
と反論しました。
「Why didn’t you〜?」は、英語では単なる疑問というよりも、しばしば非難・責任追及のニュアンスを含みます。
たとえば日常会話でも:
「なんでやらなかったの?」
「やるべきだったのに、なぜやらなかった?」
という“責める響き”になります。
つまり今回のケースでは、
「同盟国に知らせるべきだったのでは?」
「それをしなかったのは問題では?」
という趣旨の質問に聞こえるわけです。
首脳会談の場では、記者の質問も一種の外交行為と見なされます。
そのため、一般的にはよりクッションの効いた表現が使われます。
例えば:
“Could you explain why…?”(理由を説明いただけますか)
“What was the reasoning behind…?”(どのような判断だったのか)
こうした表現は、相手の判断を尊重しつつ説明を求める形です。
千々岩記者の英語による質問は、「Why didn’t you〜」という表現を用いたことで、外国首脳に対して強い非難や責任追及のニュアンスを帯びるものとなっていました。そのため、外交の場における発言としては、やや不適切だった可能性があります。
とりわけ、この表現は単なる説明要求ではなく、「本来はそうすべきだったのではないか」という前提を含みやすく、結果として相手に対して批判的な印象を与えかねません。首脳会談という繊細な場面においては、より中立的で配慮のある言い回しが望まれます。
さらに、相手がドナルド・トランプのように言葉に敏感で、時に強い調子で応酬するタイプであることを踏まえれば、こうした直接的な表現は不必要に対立的なやり取りを招くリスクもあったと言えるでしょう。結果として、いわゆる「真珠湾発言」を引き出す一因になった可能性は否定できません。
