スポンサーリンク

中国の防空識別圏は軽視できない

(当サイトはアフィリエイト広告を利用しています)

2013年11月、中国は突然、東シナ海に防空識別圏を設定した。この防空識別圏内には日本の領土である尖閣列島が含まれる。

 

日本の防空識別圏(ADIZ)

日本の場合、防空識別圏に他国戦闘機が接近すると、自衛隊戦闘機を緊急発進させる。この緊急発進(スクランブル)は24時間体制で広大な空域をレーダー監視、戦闘機待機しないといけないのでかなりの負担になる。

 

中国の防空識別圏(ADIZ)

中国の防空識別圏は日本と運用方法が違うようだ。中国は、日本のように24時間体制でレーダー監視とスクランブル体制の維持をしている様子はない。

このスクランブル体制を維持できるのは日本の戦闘機の稼働率が80~90%と高水準だからだ。

一方、中国の戦闘機の稼働率は50~60%なので、スクランブル体制を24時間体制で維持するのは運用上困難と思われる。したがって中国の場合、航空機で防空識別圏を定期的に巡回監視する程度であった。

 

長距離地対空ミサイルS-400配備で、防空識別圏強化か?

S-400はロシアの最新地対空ミサイルで射程は400km。中国はロシアからS-400を輸入する契約を2015年上半期に締結した。S-400の価格は1セット5億ドル(約600億円)で、中国は合計6セット30億ドル(3,300億円)で購入する。

中国への引き渡しは2017年ころからと予想される。射程が400kmなので中国沿岸に配備すれば尖閣列島も射程に入り、中国の設定した防空識別圏のほとんどをカバーできる。

日本の地対空ミサイル

日本の地対空ミサイルは03式中距離地対空誘導弾(中SAM)で射程は50km。PAC3の射程は20kmしかない。これは、アメリカ軍は基地防衛のために開発したためだ。

 

S-400配備の影響

S-400ミサイルの射程は400km、レーダー探知距離500~600kmと言われる。同時に72個の目標を探知でき、そのうち36個の目標を攻撃できる。言わば陸上のイージスシステムのようなものだ。自衛隊が導入予定のF-35戦闘機でも容易には接近できないほどの強力な攻撃力を持つ。

ただ、中国沿岸から尖閣までは330kmなのでマッハ4としても到達まで約4分の時間がかかる。したがって200km手前でミサイルを発見できればF-35やF-15であれば射程圏外まで回避できる可能性がある。

E-767やE-2Cの支援がなく、自衛隊戦闘機が単独でスクランブルをかければ、敵機に意識が集中してS-400ミサイルの発見が遅れる可能性もある。この場合、かなり危険な状態となる。また、那覇のE-2Cの探知距離は約350kmなので、尖閣上空までは探知できない。

安倍首相の対ロシア外交はこのままでいいのか?

S-400が2017年に配備されれば、中国が一層、尖閣に軍事的圧力をかけてくる可能性がある。安倍首相はロシアのプーチン大統領とよく会談するが、その裏では中国に最新兵器を売却している。安倍首相の外交で日本の安全保障は大丈夫なのか?

error: Content is protected !!